【東アジアのリアル】 朝鮮半島のために祈る 松山健作

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長引くコロナ禍で、韓国に訪問することもできず、肌感覚で情報を得られないことを憂鬱に感じる今日この頃である。

個人的な感情はさておき、4月4日の復活日に韓国基督教教会協議会(NCCK)において、南北共同祈祷文の韓国側の草案が発表された。南北、米朝関係が悪化するに伴い、朝鮮基督教連盟との合意には至らなかったという。しかし、世界教会協議会(WCC)をはじめとする世界教会に、朝鮮半島南北から平和の思いを発信しようという試みが見られる内容となっている。今回発表された祈祷の全文を紹介し、朝鮮半島南北の平和を祈る糧とし、また統一を願う賛同者を得られることができれば幸いである。以下、祈祷文全文(筆者訳)。

南北共同祈祷文の草案を発表するNCCK


2021復活節南北(北南)共同祈祷文(南側草案)

いのちの神よ! 南北(北南)のキリスト者が心を一つに、十字架の苦難と死の力に打ち勝ち、復活されたイエスを通して、新しい希望を抱き、今日の苦難に勝ち抜くことができるようにしてくださることを心から感謝します。

癒やしの神よ! 地球村は、去る2020年初旬から今日まで新型コロナウイルスという誰しも想像することのできなかった病の拡がりに混沌と無秩序を経験しています。南と北(北と南)はもちろん、全世界が激しい痛みと試練の中に生きています。切に祈ることは、南と北(北と南)の兄弟姉妹だけでなく、この世の中に生きるすべての人々の生命の安全を守り、自然世界を真に癒やしてください。

歴史の神よ! 2021年は、日本の植民地からの解放の歓喜と同時に南北(北南)分断76年、南北(北南)が民族の願いである一つの国家を樹立できず、それぞれの国として、国連に同時加入してから30年に至る年です。しかしながら、私たちは依然として戦争の訓練をし、互いの胸に銃口を突きつけています。願いは、復活されたイエスの和解の力にあずかり、今このような不憫な分断の歴史を断固として清算し、民族史の断絶を平和共存と統一として克服するため韓(朝鮮)半島の上に一つとなる民族史の偉大な復活が新たに繰り広げられるようにしてください。

愛と平和の神よ! 南と北(北と南)が30年前に高官会談を通じて「和解」「相互不可侵」「交流協力」などに関する南北(北南)基本合意書に合意した韓(朝鮮)民族の未来に対して、多くの希望を含んだ美しい歴史的時間を記憶します。願わくは、南北(北南)が忘れられゆく南北(北南)基本合意書の基本精神をもう一度生かせるようにしてください。南北(北南)が消耗的な葛藤と対立の歴史を停止し、自由に往来交流し、互いに平和を享受し、感動的な愛と平和の歴史を築く尊ばれる統一国家に生まれ変わるようお導きください。

希望の神よ! 同族の争いである朝鮮戦争停戦後の、68年に近い時間非武装地帯において寂しくさびついた鉄馬(汽車)が、今再び南北(北南)の愛と希望、雄飛と繁栄の未来の多くを抱き、南北(北南)をつなぎ、大陸に向かって力強く走り出ますように。切に求めることは、南北(北南)が、復活された主の力に支えられ、一日も早く分断という悲しみの歴史を整え、真に和解し、同胞愛を分かち合いながら歓喜に満ちた統一の新たなる歴史を築いてくださいますように。

2021年、万物が芽吹く春に、復活節を迎えて南北(北南)の神に仕える人々が戦争を終結し、平和協定を締結するための新しい未来を願う心を抱けますように。再び甦られるイエスの名によって切に祈り求めます。

松山 健作
まつやま・けんさく
 1985年、大阪府生まれ。関西学院大学神学部卒、同大学院博士前期課程、韓国延世大学神学科博士課程、ウイリアムス神学館修了。現在、日本聖公会京都教区金沢聖ヨハネ教会牧師、聖ヨハネこども園園長、『キリスト教文化』(かんよう出版)編集長、明治学院大学教養教育センター研究員など。

 

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