核兵器禁止条約の発効受け 宗教界から相次ぎ声明

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核兵器の開発、保有、使用を禁じる核兵器禁止条約が1月22日に発効されたことを受けて、宗教者からも相次いで声明が発表された。

世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(植松誠理事長)は同日の声明で、心からの祝意と同条約への全面的な支持を表明。「国家の安全保障に直結する核兵器禁止に関する条約が官民の協働によって実を結んだ事実は、人道的アプローチに重きを置いた今後の国際規範形成に向けて、力強い契機となるに違いありません」と評価した。その上で、日本政府に対し、「日本国として核兵器禁止条約を署名・批准し、正式に締約国となること」「核兵器禁止条約と核兵器不拡散条約(NPT)が補完関係であるとの立場に立って、核兵器の廃絶に向けて、かねてから日本政府が主張している『橋渡し役』に真の意味で取り組むこと」「被爆の実相と核兵器使用がもたらす科学的な終末予測をもとに、核抑止政策の信ぴょう性に対する再検証を行うこと」「核兵器に依存しない日本の平和と安全を構築する政策について検討をはじめること」の4点を求めた。

カトリック広島司教区の白浜満司教とカトリック長崎大司教区の髙見三明大司教は同日、共同声明を発表した。声明では、核兵器廃絶のためには、「核保有国と、日本を含む、いわゆる核の傘の下にある国々の根強い抑止論」という、乗り越えなければならない大きな壁があるとし、唯一の戦争被爆国として、同条約に日本が率先して署名・批准し、核兵器保有国と非保有国の対話と核軍縮とを推進する役割を担うべきだと主張。「被爆地のカトリック司教および日本国民として、教皇フランシスコとともに、『すべてのいのちを守るため』、核兵器のない世界が可能であり必要であるという確信をもって、核兵器保有国も非保有国も含めてすべての人が一致して核兵器のない世界の実現のために参加する必要がある」と訴えた。

この日は、ニューヨークの午前0時(日本時間・同日午後2時)に合わせ、その15分前から、世界平和記念聖堂(広島市中区)で「世界平和を願う祈りの集い」が行われた。午後2時には世界平和記念聖堂の鐘が鳴らされ、被爆地のカトリック長崎大司教区とカトリック広島教区の共同声明を白浜満司教が発信した。

核兵器禁止条約発効、バチカン外務局長「共通善を目指して」 2021年1月22日

 






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