やまだ・ひさこ 1月13日、都内の病院で誤嚥性肺炎・敗血症のため逝去。92歳。葬儀は近親者のみで行われた。喪主は二女の上野有さん。3月25日、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)でお別れの会が行われる予定。
1932年東京都生まれ。舞台俳優などを経て、夫で映画監督の山田典吾さんが創業した映画製作会社に参加。プロデューサーとして、1976年の実写版『はだしのゲン』、1981年の『裸の大将放浪記』などの製作に携わる。
知的障害のある長女との生活を描いたアニメ映画『エンジェルがとんだ日』(1996年)で監督デビュー以降、障害者福祉や女性の地位向上に貢献したキリスト者に焦点を当て、『筆子・その愛―天使のピアノ―』(2007年)、『大地の詩・留岡幸助物語』(11年)、『母 小林多喜二の母の物語』(17年)、『一粒の麦 荻野吟子の生涯』(19年)、『われ弱ければ 矢嶋楫子伝』(22年)などを手がけてきた。2024年公開の『わたしのかあさん―天使の詩―』が遺作となった。
2010年、日本映画テレビプロデュサー協会功労賞受賞。同年第55回映画の日執行委員会表彰。2011年、児童福祉文化賞特別部門賞受賞。