主の御名をあがめます。
皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
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聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、士師記の20章です。よろしくどうぞ。
士師記 20章34節
ベニヤミン族は、わざわいが自分たちに迫っているのに気づかなかった。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)
ベニヤミン族というのはイスラエル12部族の一つですが、このときはとあるトラブルから、イスラエル民族同士で他のすべての部族を相手に戦わなければならないことになりました。ベニヤミン族の兵士は2万8000人、対するイスラエル連合軍は40万人でした。
これはもう、圧倒的にベニヤミン族に不利です。今も昔も戦の基本は「数の多い方が勝つ」です。もちろん歴史を眺めれば桶狭間の戦いだとか、少ない兵力で大兵力を倒したような例もありますが、そういう例は珍しい例だからこそ歴史に残るわけで、多くの戦で「数の多い方が勝つ」という原則はなかなか揺らぎません。しかしだからこそイスラエル連合軍に油断があったのか、神様の計画だったのか、ベニヤミン軍は最初のいくらかの戦いに大勝しました。どうやらベニヤミン族には石を投げる専門部隊が700人ほどいたようですから、それが奏功したのかもしれません。
ベニヤミン族は「僕たちは強いぞ!負けないぞ!」と勢いに乗りました。一方でイスラエル軍は敵のこの勢いを利用しました。勝ちに乗って攻めてくるベニヤミン軍に対して、わざと陣を空けて奪わせ、そこに伏兵を仕込む作戦を立てました。ベニヤミン軍はこの作戦にまんまとハマり、ほぼ全滅してしまいました。
あまりに教科書通りな伏兵戦術で、歴史や兵法を知っている人からすれば「なんでこんなシンプルな計略にハマるんだ」なんて思ってしまうかもしれませんが、でもこの戦が起こったのは紀元前1000年くらいで、まだ歴史書も兵法書もない時代ですから無理もないとも言えます。それに歴史や兵法書から学んでいるはずの現代の僕たちだって、実はこの「教科書通りな伏兵戦術」にハマってしまったりもしています。
勢いのある軍というのは伏兵に弱いものです。そしてそれは現代の、戦争以外の日常生活やビジネスにおいても言えることです。人というのは勢いに乗ると、そのまま一気に突き進みたくなる性質を持っています。「危険があるかもしれない」と頭では分かっていても、なかなかそこで止まる勇気を持てないものです。たとえば新しいチェーン店が一時的な勢いに乗って店舗数を一気に増やして、ほどなくして経営不振に苦しむなんてニュースは珍しくありません。勢いに乗っているときほど、実は慎重にものを考えなければいけない場面なのですが、そこで慎重な判断を下すのは想像以上に難しいものです。
調子の悪いときには「この状態もいつまでもは続かないんだから気を落とさず」と心がけることが重要ですが、調子のいい時には「この状態もいつまでもは続かないんだから落ち着こう」と心がけることが重要です。ですがこの後者が実はとても難しいんです。
主にありて。
MAROでした。
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