主の御名をあがめます。
皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
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聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、歴代誌第二の23章です。よろしくどうぞ。
歴代誌第二 23章3節
エホヤダは彼らに言った。「見よ。主がダビデの子孫について約束されたとおり、王の子が王となる。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)
紀元前836年頃、南ユダ王国はアタルヤという女王によって統治されていました。彼女はユダ王国の歴史の中で唯一の女王でしたが、正統な王ではありませんでした。アタルヤは第5代の王、ヨラムの妻であり、第6代の王アハズヤの母でしたが、息子アハズヤが殺されると、王族すべてを殺して、自らが強引に王座につきました。つまり王家を簒奪したということです。
しかし、アハズヤの息子の中でヨアシュという王子だけはこっそりと匿われて生き残りました。そして大祭司エホヤダはこのヨアシュをユダ王国の正統な王として即位させました。アタルヤはこれに対して「謀反だ!」と怒りましたが、捕らえられて処刑されました。これでダビデの子孫にのみ約束された王の地位、つまり神様の約束は守られました。
王朝というのは原則として血統により存続するものです。日本の天皇家もそうですが、原則として王の子や近い血族でなければどんなに努力をしても王になることはできません。中国の皇帝もそうです。このルールが破れた時に、隋が唐になったり明が清になったりと、国号が変わります。つまりその国はそれまでの国とは別のものとして扱われることになります。日本の天皇家には(少なくとも建前上は)これが一度も起こっておらず、故に日本は王朝が変わるということを一度も経験せずに存続している稀有な国になっています。
もしアタルヤの野望が成就して、ユダの王家がダビデの子孫に継承されなければ、神様が約束したダビデ王朝は途絶えることになりましたし、ひいてはそれはアブラハムとの約束さえも守られないことを意味していました。
王位の継承が血統により行われること自体を、理不尽だと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは余計な争いを避けるためのルールでもあります。もし、誰が王になるかを能力や努力によって変えられるとしたら、王が寿命を迎えるたびにその座を巡って争いが生じることになります。現代のようにそれが選挙で行われるならまだ良いかもしれませんが、選挙制度が確立していない時代や地域においては、それはその争いは戦争を意味します。定期的に戦争が起こりまくる社会になってしまうんです。乱世です。ですから儒教でも、家は長男が継ぐ、というルールが定められています。これは兄弟間での権力争いが生じないための知恵です。歴史上のいわゆる「乱世」というのはこのルールがなんらかの理由で崩れた時に起こっています。
日本も皇位継承問題については様々な意見が飛び交っていますが、どういう結論に至るにせよ、歴史上のそういった事情は考慮に入れつつ、考える必要があるかと思います。軽々しく「みんなで決めよう」だけではいけないのかな、と思います。
それではまた。
主にありて。
MAROでした。
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