「なりたがる」人には要注意【聖書からよもやま話382】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は新約聖書、ヨハネの手紙第三の1章です。よろしくどうぞ。

ヨハネの手紙第三 1章9節

彼らの中でかしらになりたがっているディオテレペスが、私たちを受け入れません。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

ディオテレぺスという人は、ある教会でリーダーになりたがって精力的に活動をしていたようでしたが、その人がパウロとの間で様々な問題を起こし、また教会を間違った方向に導いてもいたのでした。たぶんこの人は自分の私利私欲とか名誉のために、リーダーになりたがっていたのかと思います。教会のリーダーが私利私欲や自分の名誉を追いかけていたのでは困ったものです。

リーダーになりたがる人というのは、往々にしていわゆるトラブルメイカーであることが多いものです。そういう人は大抵、地位とか名誉とか報酬とかに期待してその椅子に座りたがるからです。教会に限らず、どんな組織であってもそういう人は周りを振りまわし、トラブルを起こします。

ディオテレペスさんはもしかしたら私利私欲のためではなく、彼が思い描く「理想の教会」を実現するために、リーダーになりたがったのかもしれません。「理想を実現するためにリーダーになる」と言えば聞こえはいいですが、少なくとも教会にとっては良いことではありません。なぜなら教会というのは人間が思い浮かべる理想を実現する場ではなく、神様の理想を実現する場であるからです。そこに人間の理想を持ち込んでしまっては、様々な問題が生ずるようになってしまいます。

私利私欲のためであれ、理想のためであれ、そんなわけで「リーダーになりたがる」ディオテレペスさんは、その「なりたがる」ということ自体によって、最もリーダーにふさわしくない者になってしまったのでした。
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「なりたがる」人には注意が必要です。世の中には様々な地位や肩書きがありますが、それが「なりたがる」人にふさわしいものなのかそうでないのか、選任する立場の人はよくよく見極める必要があります。「なりがたる」人には与えてはならない椅子というのが、意外と世の中にもたくさんあります。もちろん「なりたがる」人にふさわしい椅子というのもたくさんありますが。

これは個人的な感想ですが、政治家というのも「なりたがる」人には意外と向かない地位なのではないかな、なんて思っています。しかし今のシステム上、立候補してなりたがらなければ、なることができないですから、そこにシステム上の矛盾を感じてしまったりします。

それはさておき、少なくとも教会においては牧師に限らず、様々なリーダー的なポジションに関して、「なりたがる」人には注意を払った方が良いのかと思います。必ずとは言いませんが、そういう人がそういうポジションでトラブルを起こすことはかなり多いものです。

イエス様も「リーダーになりたい人は、みんなに仕える人になりなさい」と言っています。つまり「自分から偉い立場に手を挙げるようなことは、リーダーにはふさわしくないよ」と言っているわけです。リーダーというのは「え?私にはリーダーなんてふさわしくないです、勘弁してください」とか言っている人の方がむしろ良く務まるように思います。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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