主の御名をあがめます。
皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。
聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 新約聖書、マタイの福音書の12章です。よろしくどうぞ。
マタイの福音書 12章34〜35節
まむしの子孫たち、おまえたち悪い者に、どうして良いことが言えますか。心に満ちていることを口が話すのです。良い人は良い倉から良い物を取り出し、悪い者は悪い倉から悪い物を取り出します。(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)
インプットとアウトプット。良いインプットができなければ、良いアウトプットはできません。大学受験をはじめ、さまざまな試験勉強において大切なことは、インプットとアウトプットの比率です。試験でいい成績を残せない人の多くは、この比率を間違えています。アウトプットの比率が高すぎるんです。つまり勉強するのに、問題集を解くことばかりに時間を割いてしまって、教科書やテキストを読む時間が少ないんです。
これは日本の学校での教育方法にも問題があるように思います。日本の学生に課される宿題の多くは「問題集をやってこい」です。ですからその宿題を手っ取り早く終わらせたい学生は、テキストも読まないまま無理やり問題集だけに取り組んだりしてしまいます。つまり端的に言えば日本ではアウトプット中心の教育がなされているということです。しかしたとえばアメリカの学校では「リーディング・アサインメント」というのが多々あります。これは「教科書を何ページまで読んでおくように」という宿題です。これは明らかにインプットに主眼を置いた宿題です。「学ぶ」ということの本質はインプットにこそあります。
勉強から少し離れても日本の学校では「チクチク言葉」を使わずに「フワフワ言葉」を使いましょう、なんて指導もなされています。これは「バカ」とか「死ね」とかの心がチクチクする言葉を使わずに、「ありがとう」「一緒に遊ぼう」などの優しい言葉をたくさん口にするようにしましょう、という指導ですが、これもまたアウトプット主導の指導だなと思います。フワフワ言葉をたくさん口にするためには、たくさんのフワフワ言葉が心に蓄えられていなくてはいけません。それが十分に蓄えられていれば、自ずと水が溢れるようにフワフワ言葉ばかりが出てくるはずです。反対に心がチクチク言葉に満ちているのに、口先だけフワフワ言葉を使いましょう、と言っても無理があるんです。「何を言うか」ばかりに気を取られて、「心を何で満たすか」を無視しています。
これでは体を鍛えるのに「どんなトレーニングをするか」ばかりに気を取られて「何を食べるか」を気にしないのと同じようなものです。体もまた、アウトプットよりも先にインプットが重要なんです。食べるものをおろそかにしたまま「健康的に生きましょう」なんて言っても、どだい無理な話です。体は食べた物でできている、ということは多くの方が同意し実感もしているかと思います。しかし心が取り入れた言葉でできている、発する言葉は取り入れた言葉でできている、ということは意外と実感していない方が多いように思います。出すものよりも入れるものにもっと気を使うべきです。
とはいえ、たとえば人間の腸内には善玉菌と悪玉菌がいますが、悪玉菌だからと言ってそれをゼロにしてしまったら人間は生きていくことができません。善玉菌と悪玉菌の理想の比率は「2:1」だと言われています。この比率に近い時、善玉菌が最もよく働いて体に良い影響をもたらします。反対に悪玉菌の比率が上がってしまうと、彼らが毒素を放出して体を壊しはじめます。食物繊維は善玉菌を増やし、タンパク質は悪玉菌を増やしますが、だからと言って食物繊維だけを食べていたら人間は生きていけません。生きるには必ずタンパク質が必要です。ですから大切なのは食物繊維とタンパク質をどんなバランスで体にインプットするかです。
心もこれと同じようにチクチク言葉をゼロにすればいいわけではありません。フワフワ言葉をチクチク言葉に対して常に優勢であるようにすれば、自ずとたくさんのフワフワ言葉が口からも出てくるのだと思います。チクチク言葉をゼロにしようとすれば、「あ、今チクチク言葉を言った!だめなんだー」と、人のチクチク言葉を批判するチクチク言葉もきっと出てきてしまいますから。
体に栄養バランスが重要なのと同じように、心や言葉にもバランスが重要なのだと思います。その点、聖書というのは生きたまま腸に届いてそのまま善玉菌となる納豆菌や乳酸菌のようなものです。日々取り入れれば自ずと心の腸内環境が整って、いい影響をもたらしてくれるはずです。
それではまた。
主にありて。
MAROでした。
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