世界教会協議会(WCC)総幹事のジェリー・ピレイ氏(南ア)は、第77回世界保健総会がジュネーブで開催されている中、世界保健機関(WHO)事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス氏(エチオピア人)に宛てたメッセージで、「最も低い、最も弱い人々が経験する健康不良や苦しみは、すべての人々が団結し、公平で、効果的で、相互に責任を負う方法で感じられ、応じられなければならない」と述べた。
「私たちは、健康を促進し、世界の安全を守り、脆弱な人々に奉仕するというWHOの使命を共有している。このような努力により、より多くの人々がユニバーサル・ヘルス・カベレッジ(すべての人が、適切な医療サービスを、必要なときに、支払い可能な費用で受けられる状態)の恩恵を受け、健康上の緊急事態からよりよく守られ、よりよい健康と安寧を享受することができるだろう」とピレイ氏は付け加えた。
毎年開催される世界保健総会は、WHOの意思決定機関。WHO全加盟国からの代表団が出席し、理事会が準備した特定の保健アジェンダに焦点を当てる。世界保健総会の主な役割は、WHOの政策を決定し、事務局長を任命し、財務政策を監督し、プログラム予算案を検討・承認すること。
専門家たちは、世界的に重要な公衆問題の現在および将来の優先課題について議論する。
WCCはWHOと50年にわたる協力関係にあり、戦略立案、出版、セミナー、ウェビナー、HIV、エボラ出血熱、コロナパンデミックなどの危機への対応などを行ってきた。
WCCの代表団は、「All for Health, Health for All(すべては健康のため、健康はすべてのため)」のテーマのもと、5月27日から6月1日まで開催される総会に参加する。
メッセージの全文は以下の通り。
第77回世界保健総会に際しての世界保健機関(WHO)へのWCCあいさつ
親愛なるテドロス・アダノム・ゲブレイエスス博士
あなたが第77回世界保健総会(WHA77、5月27日~6月1日)に向けて世界保健機関(WHO)を指導されるにあたり、WCCの世界中の教区を代表して、あなたのリーダーシップに深く感謝するとともに、この重要な総会が成功するよう神の祝福をお祈りいたします。
私たちは、パンデミック協定と既存の2005年国際保健規則(IHR)の改正が合意され、世界が新たな世界的危機に効果的に対応できるようになることを願い、祈ります。私たちの加盟教会と教区は、WHOが新たな資金調達メカニズムであるWHO投資ラウンドの先頭に立ち、資金調達をより予測可能で柔軟なものにするために、WHOと連帯しています。
私たちはまた、WHA77での決定が、紛争下の脆弱な人々や地域社会の緊急な保健上のニーズに対応するものであることを望みます。WHOの存在と計画が、保健を促進し、平和への道を準備しますように。
今年の保健総会のテーマである「All for Health, Health for All」は、信仰共同体が大切にし、推進している価値観と共鳴するものです。
「からだは一つでも、多くの部分から成り、からだのすべての部分の数は多くても、からだは一つであるように……それで、からだに分裂が起こらず、各部分に互いに配慮しあっています。一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです」(コリントの信徒への手紙一12章12、25、26節)。
私たち全員が、すべての人の健康のために無条件に、そして集団的に働くよう促されますように!最も低く、最も脆弱な人々が経験する健康不良と苦しみは、すべての人々が、団結し、公平で、効果的で、相互に責任を負う方法で、感じ取られ、対応されなければなりません!
私たちは、健康を促進し、世界を安全に保ち、弱者に奉仕するというWHOの使命を共有しています。こうした取り組みを通じて、より多くの人々がユニバーサル・ヘルス・カベレッジの恩恵を受け、健康上の緊急事態からよりよく守られ、よりよい健康と安寧を享受することができるのです。
WHA77がWHOの使命を強めますように。
よろしくお願いいたします。
WCC総幹事
ジェリー・ピレイ牧師・博士
(翻訳協力=中山信之)