──他人を傷つけ、トラウマを与える人は、多くが自身もトラウマ体験のサバイバーです。世代を超えた罪について、また被害者が加害者にもなりうることについて、どのようにお考えでしょうか。

性的虐待の被害者が同じ虐待を繰り返すことが多いのは事実です。けれども、その人が加害者になれば、自分がしたことの責任は引き受けなければなりません。自分がされたことが正しいことではなかったと分かっているならば、自分の行為の責任も自分で負わなければならないのです。

虐待の事実があったことを通報するために多くは大人を頼らなければならない未成年者の場合、特にこの問題は難しくなります。虐待の悪循環を止めるため、公的機関や法的機関をはじめ、大人たちは臨床的・精神的・感情的・霊的に正しい方法をもって、こうした虐待行為に対処する必要があります。

キリストの体である教会も、これまではこうした状況に適切に対処できてはいませんでした。間違った教育のせいもありますし、恐れのせいでもあります。特に、神の家族である教会の一員が同じ家族の誰かに害をなした場合は、対処が難しいケースです。対応を迫られている人たちに同情します。けれども教会は、その下にある神の子どもたちを適切に管理し、神の家が安全なところであるようにしなければなりません。そのためには、厳しい判断を迫られることもあるのです。(次ページに続く)

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CHRISTIANITY TODAY

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「クリスチャニティー・トゥデイ」(Christianity Today)は、1956年に伝道者ビリー・グラハムと編集長カール・ヘンリーにより創刊された、クリスチャンのための定期刊行物。96年、ウェブサイトが開設されて記事掲載が始められた。雑誌は今、500万以上のクリスチャン指導者に毎月届けられ、オンラインの購読者は1000万に上る。

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