WCC ロシアによるウクライナの民間人と病院へのミサイル攻撃を非難

世界教会協議会(WCC)総幹事のジェリー・ピレイ氏は、キエフやウクライナの他の人口密集地域へのミサイル攻撃を非難した。この攻撃では少なくとも34人が死亡し、国内最大の小児科施設を含む、国内の児童と女性のための主要な病院二つが深刻な被害を受けた。

ピレイ氏は、「それは、国際人道法の無視が明らかな、最近の重要な事件だ」と述べた上で、民間人や民間インフラを標的にする者は皆、法律、倫理、道徳、宗教の最も基本的な原則に違反していると強調。

さらに「ロシアの違法かつ不道徳なウクライナ侵略から生じたこの残酷な戦争で、民間人は毎日その被害に苦しんでいる」と述べ、最近の国連報告書では、今年3月から5月だけで、ロシアによるウクライナへの攻撃で民間人436人が死亡、1760人が負傷したと述べられていることを指摘した。しかし、ロシアの民間人もこの「非良心的な紛争」の影響に苦しんでいると述べ、「これ以上の流血と破壊を防ぐためには、そのような違反行為をすべて止め、戦争を終わらせなければなりません」と呼びかけた。

また、アル・アハリ・アラブ聖公会病院の強制閉鎖に対しても重大な懸念を表明。「私たちはすべての当事者に対し、暴力を直ちに停止し、停戦に同意するよう求めます。この悲劇的な時期に、私たちの思いと祈りは犠牲者とその家族とともにあります」

エルサレムと中東の聖公会エルサレム教区は声明を発表し、ガザ地区の旧ガザ市地域で軍事活動が激化する中、アル・アハリ・アラブ聖公会病院がイスラエル軍によって閉鎖を余儀なくされたと指摘。病院長のスヘイラ・タラジ氏は、7月7日に病院のすぐ近くで大量のドローンによる発砲が発生し、その直後に病院内の全員を含むすべての建物から直ちに避難するようアナウンスがあったと報告した

「これにより負傷者と病人が大きな危険にさらされるのは必至でした」と同教区。「非常に残念なことに、当院のサービスは非常に需要があり、負傷者や病人が緊急治療を受ける場所として他に選択肢がほとんどない時に、当院は現在、運営を停止しています」。また、病院に向かう途中で救急車が発砲されたことについても深い苦痛を表明。「現在、運転手の状態や治療のために搬送されていた患者については情報がありません」と述べられている。

エルサレム教区聖公会大主教のホサム・ナウム大主教は「可能な限り強い言葉で病院の閉鎖に抗議します」とし、「戦争と大きな苦しみの時代には、負傷者や瀕死の人々を治療するための救急医療サービスを維持することが不可欠です。私たちはイスラエル軍に対し、神聖な医療と治癒の奉仕を継続することを許可するよう訴えます。私たちは民間人とすべての弱い立場にある人々を標的とする行為の停止を訴え、すべての当事者が即時停戦に同意するよう要求します」と攻撃を非難した。

カトリック教会のエルサレム・ラテン総主教庁は7月7日の声明で、イスラエル軍がガザの聖家族学校に対して明らかに開始した襲撃のニュースに重大な懸念を表明。「現場からの映像やメディア報道には、民間人の死傷者や敷地内での破壊の場面が含まれています」と声明文にはある。「エルサレムのラテン総主教庁の所有物である聖家族学校は、戦争が始まって以来、数百人の民間人の避難場所となっているのです」

学校には宗教関係者は居住していない。声明には「ラテン総主教庁は、民間人を標的にしたり、民間人を必ず戦闘現場の外に留めておくには不十分なあらゆる交戦行為を、最も強い言葉で非難します」と書かれている。「私たちは引き続き主の憐れみを祈り、両当事者がこの地域における恐ろしい流血と人道的大惨事に即時終止符を打つ合意に達することを願っています」

(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)

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