上智大学第10代学長でイエズス会司祭の土田將雄(つちだ・まさお)氏が26日午前8時38分、老衰のため、ロヨラハウス(東京都練馬区)で帰天した。95歳。
通夜は30日(火)午後7時半から、葬儀ミサ・告別式は31日(水)午後1時半から、カトリック麹町教会(聖イグナチオ教会)主聖堂(東京都千代田区麹町6−5−1、電話:03・3263・4584)で執り行われる。喪主は、イエズス会上石神井修道院長のクスマノ・ジェリー司祭。イエズス会と上智学院の合同葬。
土田氏は1923年、東京都生まれ。43年、慶應義塾大学経済学部入学、同年、横須賀第二海兵団に入り、45年、海軍中尉。戦後、復学し、イエズス会に入る。47年、慶應義塾大学卒業、52年、上智大学文学部哲学科卒業、54年、同大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了。57年、同神学研究科神学専攻修士課程修了、58~59年、フランスやイギリスなどで学ぶ。62年、慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了、65年、同博士課程満期退学。90年に慶應義塾大学にて文学博士号を取得。専門は国文学(中世文学)。細川ガラシャの舅(しゅうと)で、近世歌学を大成させた細川幽斎(ゆうさい)を研究した。
59年に上智大学文学部講師に着任し、66年、同助教授、69年、同教授、88年、同特遇教授を経て、93年に同大名誉教授。また、図書館長、国文学科長や文学部長等を歴任した後、87年4月から93年3月まで、同大学長を2期6年務めた。
さらに、日本カトリック大学連盟会長、日本私立大学連盟副会長、日本私立大学団体連合会副会長、文部省大学設置・学校法人審議会委員や文部省生涯学習審議会副会長などを務め、高等教育の発展にも尽力した。
同大学長を退任後は、93年10月から藤女子大学・藤女子短期大学(札幌市)の学長を3年半、97年4月から雙葉学園(千代田区)の理事長を9年間、それぞれ務めた。2008年春の叙勲では、瑞宝重光賞を受章している。
著書は、『細川幽斎の研究』(笠間書院、76年)、『細川幽斎事蹟と和歌』(同、78年)、『続 細川幽斎の研究』(同、2008年)など多数。