東北学院大学(宮城県仙台市)は9月17日、アウクスブルク大学(ドイツ・バイエルン州)と国際交流協定を締結した。
アウクスブルク大学は、ミュンヘン、ニュルンベルクに次ぐ州第3の都市にある州立大学。1970年に創立され、現在は、神学、法学、経済学、コンピュータ-・サイエンスなど7学部を有し、学生数1万5000人。授業の大半はドイツ語で開講されている。東洋英和女学院院長の深井智朗(ふかい・ともあき)氏もここで博士号を取得した。
協定の内容は、①教職員の交換、②学生の交換、③学術情報および資料の交換、④学術刊行物の交換、⑤共同研究の実施、⑥共同協議の開催、⑦その他の学術交流活動を促進していくこと。
今月13日には、東北学院大学研究ブランディング事業「東北における神学・人文学の研究拠点の整備事業」が主催するシンポジウム「苦難と救済──パウロにおける苦しみの意義」が開催された。そこでアウクスブルク大学哲学社会学部のペトラ・フォン・ゲミュンデン教授が講演。学生、一般を合わせて六十数人が集まった。その後15日に、ペトラ教授が東北学院大学の松本宣郎(まつもと・のりお)学長を表敬訪問し、学術交流をいっそう深めることを話し合った。
東北学院大学は、1886年、米国ドイツ改革派教会の宣教師W・E・ホーイのもとに6人の伝道者志望者が集まり、私塾「仙台神学校」が開かれたのが始まり。東北伝道をしていた横浜バンドの押川方義(おしかわ・まさよし)を初代院長として礎(いしずえ)を築いた。91年に、「東北学院」に改称し、伝道献身者以外にも普通・高等教育を施すようになる。
現在は、6つの学部、7つの大学院研究科を有し、東北有数の私立高等教育機関として、東北・北海道のみならず、世界でも活躍する人材を広く教育界・産業界・地方自治体などに送っている。
スクールモットーは「LIFE, LIGHT AND LOVE FOR THE WORLD」で、東北学院を象徴する「3L精神」として受け継がれてきた。これは、大学設置50周年を記念に制定された東北学院大学の教育理念を示す標語で、「LIFE LIGHT LOVE」は、当時の宣教師が宣べ伝えた福音を「(全世界の)生命、光、愛」として捉えたもの。