日本キリスト改革派教会、新型コロナ・ウイルス感染対応と大会議長声明

 

日本キリスト改革派教会では16日、大会執事活動委員会から「新型コロナ・ウイルス感染対応の連絡3(3/16~26)」が発表された。

所属諸教会に対して、それぞれの新型コロナ・ウイルス感染対応について、3月15日と22日の主日の様子を報告するよう協力を要請した。公式ホームページの投稿フォームから送信するようになっている。

その目的は、「①諸教会の新型コロナ・ウイルス感染拡大の防止に協力するため、②定期的に状況を確認して各中会や大会の対応を検討するため、③祈りの課題を共有するため」としている。

日本キリスト改革派教会・東京恩寵教会

また6日には、川杉安美(かわずぎ・やすよし)大会議長(草加松原伝道所)による「新型コロナ・ウイルス感染症に対する大会議長声明」が発表された(以下に全文掲載)。

日本キリスト改革派教会は、戦前の3大プロテスタント教派の一つ、改革長老系の日本基督教会を源流とする(ほかに日本組合教会と日本メソヂスト教会がある)。戦時中にプロテスタント諸教派は日本基督教団として合同したが、1946年、日本基督教会の人々の一部が離脱して、日本キリスト改革派教会が創立された。神戸改革派神学校で牧師が養成される。教会政治として長老制をとり、それぞれの所属教会の牧師と治会長老からなる「小会」によって教会運営がなされている。そして、地域の所属教会からなる「中会」(東北、東関東、東部、中部、西部、四国)、全国組織として「大会」がある。

新型コロナ・ウイルス感染症に対する大会議長声明

新型コロナ・ウイルスによる感染が拡大している状況が続いています。この感染については、不特定多数の人が閉鎖空間で長時間近い位置にいる場合にリスクが高まると言われています。それぞれの教会で、様々に対策が取られ、ご苦労されていることと思います。主の恵みと導きと助けがありますようお祈りいたします。

大会執事活動委員会が「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う注意喚起」と同(二)を配布してくださいました。さらに、大会執事活動委員会と大会常任書記団合同で、同(三)が配布されることになっています。今後も委員会と書記団は連絡を取り合いながら、情報収集と情報発信をし、大会的な対応を続けてくださいます。それらを参考にして、各個教会でもさらに適切な対応をとっていきたく願っています。

今後、どのようになっていくか、終息の道筋は確かになっていません。感染はなお広がっています。心配や不安もあります。また、誤った情報が広められたり、いたずらに不安をあおるようなことも起こっています。

そのような状況の中で、あらためて「日本キリスト改革派教会創立七十周年記念宣言」において宣言した「福音に生きる教会」の、特に(礼拝の生命であるキリスト)(牧会的共同体)(世に仕える教会)を覚えさせられます。あの宣言では、東日本大震災の経験を踏まえながら、「福音の喜びあふれる共同体を形成することを」誓いました。現在直面している大きな課題に取り組みながら、あのように宣言した教会の姿をあらためて顧み、この状況の中でますますそれを具現していくようにと、主に導かれているのではないかと思わされています。導いてくださる主御自身が、「あなたがたは世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」(ヨハネ16:33)とおっしゃり、また「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28:20)と約束してくださりながら。

また、祈りを豊かにしてきいたいと願います。昨年、大韓イエス教長老会高神と大韓イエス教長老会合同派のそれぞれの総会の問安に行き、大変暖かい歓迎を受けました。大変な状況にある韓国の兄弟姉妹のことを覚えます。あるいは中国やアメリカ、南アフリカ、世界のためにも祈っていきたいものです。医療関係者、様々な形でこの問題のために労する方々のために祈りたいと思います。このことで差別を受けたり、弱い立場にある方々のことを覚えたいと思います。感染された方々や亡くなられた方々のご遺族のことも覚えたいと思います。

この出来事を通しても、教会が練(ね)り清められ、信仰の姿勢が深められますように、主の御栄光が示され御名が崇(あが)められますように、兄弟姉妹の皆さんに主からの平和がありますように、祈りつつ。

雑賀 信行

雑賀 信行

カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。

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