第2回日本青年伝道会議 テーマは「神の国マインドに生きる」(前編)

 

日本福音同盟(JEA)青年委員会が主催する「第2回日本青年伝道会議」(NSDⅡ)が22日から24日まで、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)などを会場に開催された。「神の国マインドに生きる」をテーマに、中学生から社会人まで約580人が参加した。

JEAでは、2003年に青山学院大学で開かれた世界宣教青年大会(SSST)「すっと青山」がきっかけとなり、青年委員会が発足。その後、第5回日本伝道会議青年プロジェクトの提言を経て、12年に東京の代々木オリンピックセンターで第1回NSDが開催された。今回のNSDは6年ぶり、2回目となる。掲げられた御言葉は、「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい」(マルコ1:15、新改訳)。

JEA総主事の品川謙一さん

初日、JEA総主事の品川謙一(しながわ・けんいち)さんがオープニング・メッセージを取り次いだ。

「昨年から今年にかけて、青年宣教サミットが2回開かれました。1回目は教団教派の青年担当者、2回目は宣教団体のリーダーおよびスタッフが集まり、互いのコミュニケーションをどうとればいいかを真剣に考えました。その中で出てきたのが『神の国マインド』という言葉です。教会と超教派団体が力を合わせて壁を乗り越え、神の国が前進していくという意味です。

『神の国(kingdom)』は、王であるイエス様が真ん中におられ、その愛の支配が同心円のように広がっていくイメージです。イエス様の愛のしずくが私の心の中に落ち、イエス様色に染まり、その私を通して家族、友人、同僚、地域の人をイエス様色に染めていく。そういう神の国の前進、神様の主権の現れが『神の国マインド』なのです。

また、いま世界では、欧米を中心に宣教師が派遣されていく植民地的なモノセントリック(単中心的)な宣教モデルではなく、ポリセントリック(多中心的)な新しいかたちの宣教モデルが起きています。アジア、アフリカ、中南米など、世界各地からハウス・ワーカーやスポーツ選手など、多様なかたちで働き人が遣わされ、神の国マインドでその地域の人に福音を伝える時代となりました。

これからは30歳以下の人たちが宣教の主流になっていき、これまでの手法は塗り替えられていきます。ですからぜひ、神様がこの時代に願っている神の国マインドのミニストリーを考えてほしい。青年伝道をやるのは、日本の教会が高齢化して、若い人が必要だからやるわけではありません。30歳以下の人たちが、自分の魂に入られたイエス様の愛を広げ、分かち合っていくために神様から招かれているのです。それは、神の国マインドで次の時代の風景を見て、それぞれの学校や職場、地域で神様が生きていることを一緒に発見できるということです」

午後からは、青年宣教サミットが行われ、二つの発題がなされた。初めに「青年の育成と伝道に取り組むために」というテーマで、西村敬憲(にしむら・たかのり)さん(日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会牧師)、次に蔦田聡毅(つただ・さとき)さん(イムマヌエル綜合伝道団・堺キリスト教会牧師)が語った。

西村敬憲さん(日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会牧師)

1990年代、日本の教会が青年育成をあまり大事にしていなかった中で危機感を感じ、声を上げたのが西村さんだ。

「教会の現状を変えるためには、教団組織を変えるしかありません。まず組織の中枢に青年育成の大切さを認めてもらうことが、青年宣教を進める上で重要です。

青年宣教という大きな仕事は一人ではできません。事務、会計、渉外といった地味な仕事ができる人が必要です。そういった人たちの存在が、青年宣教を進める強みとなります。教団に変化を求めるなら、組織をいかにうまく使っていくかに目を向けるべきです。牧師を批判しても何も解決しません。どうしたら役員会を動かすことができるかといった発想が大切なのです。組織の中枢が青年宣教を頑張っているという看板を出してくれれば、しめたものです」

蔦田聡毅さん(イムマヌエル綜合伝道団・堺キリスト教会牧師)

JEA青年委員会委員長でもある蔦田さんは、これまでイムマヌエル綜合伝道団という歴史ある教団の中で、上の世代と次の世代の間に入って中高生キャンプを作ってきた。また、自身のCSや中高生時代、教会や教団が時代の変化に対応できない中で、教会を離れていった仲間のことや、青年宣教に批判的な教団の反対を乗り越えて青年大会を開催したことを証しした。

「先人たちに感謝をしつつ、神の国マインドで、与えられたチャレンジをやり続けることが大切です。そして、青年たちが育っていく時に、教団が変わり、献身者が増え、元気になっていく。そんな希望を持つことです。キャンプに参加した子どもたちが全国で活躍している姿を見た時、青年宣教に厳しい態度をとっていた人たちがきっと良い方向に変えられていく。そんな忍耐を持ってチャレンジを続けていきたいと思います」(明日につづく)

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