ギモン多し10年の働き~書店を閉店する者として(3) 船山美幸 【書店員日記】

私はクリスチャンではありません。という、どうでもいいカミングアウトから始まりますが――北海道キリスト教書店に勤めて10年間、年に一度くらいのペースで信徒の方に「え? クリスチャンではないのですか?」と吐き捨てられたり、とても嫌な顔をされたり、そのたびに苦しい気持ちになり、辞めたくなったこともありました。でも今期で終了・閉店ということになり、複雑な気持ちでいます。

北海道にある専門の書店ですよね? なくなって本当に良いの? と何度も考えました。

キリスト教はこういう教えなのですよ。ということを伝える、広める……そのようなことから……始まった出版社だったり書店だったのでないのかな? 販売方法や流通のことに……なぜ?が……多すぎて、閉店の決定から今に至るまでかなり店長にくってかかり困らせています。

取次、出版社、書店は、1冊の書籍をより多くの方々に手に取って読んでもらうという本来の方向に向かっていないといけないと思うのだけど、バラバラにしか見えなくて各自のたいへんなことで……いっぱいな感じに見える(とても上からな文章になるけれど……勝手な思いなので)。実際、老舗といわれる一般書店も閉店していく今の時代なのだから仕方ないと言えばそうなのかもしれないけれど、今一度、これからのキリスト教書店のことを話し合う機会を設けてほしい。今のままだと書店は不要としか感じ取れない!

10年だけの勤務。でもやっと流れがつかめてきたところの……まだまだ知らないことが多い中の自分の妄想です。現実的に可能かどうか分かりませんが、書籍を一般書店には置かずキリスト教関係の書店でしか扱わない。ネットでの販売もキリスト教書店で扱うようにつなげる。

取次を中心にして、出版社、書店と物流を一つにするという大がかりな改革をしていかなければ、キリスト教出版界の未来は見えないかと思います。そのようなことを大事にしなくていいのかな? と、いま改めて残念な気持ちで日々を過ごしています。

(ふなやま・みゆき=北海道キリスト教書店)

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