今日9月4日はブルックナーの誕生日です。
生涯を通じてとても敬虔なカトリック信徒で、10歳になる頃には父に代わって教会でオルガンを弾き、ザンクト・フローリアン修道院の聖歌隊に入りました。
「すべては主の最大の誉れのために」作曲した後期ロマン派の宗教曲の最高峰「テ・デウム」をはじめ、「ミサ曲」第1番、第2番、第3番、「ミサ・ソレムニス」、「レクイエム」など、数多くの宗教曲を残しています。
中でも力を注いだのは交響曲です。後年、ブルックナー自身、破棄するに忍びないと、「第1番」のあとに「第0番」とつけた交響曲も含め、全部で10曲あります。ベートーベンが築いた交響曲の形式を受け継ぐとともに、カトリック信仰による宗教的色合いも持っています。「交響曲第0番」の第2楽章では「ミサ曲」第2番の「グローリア」、第4楽章では「アヴェ・マリア」の旋律が聞かれます。また「第2番」の第4楽章には、「ミサ曲」第3番の「キリエ・レイソン」の旋律が奏されるなど、自作の宗教曲を組み入れ、世俗的な交響曲にも敬虔な祈りが込められています。
日本人指揮者では朝比奈隆が1970年代に「ブルックナー交響曲全集」を録音しました。中でも、75年に大阪フィルとの演奏旅行の際に、ブルックナーの眠るザンクト・フローリアン修道院での演奏を収録した「交響曲第7番」のライブ盤は伝説的な名盤となっています。