12月25日「痛み」

(1978年のクリスマス)

 ……そしてあなた自身も剣で心を刺し貫かれます―― 多くの人の心にある思いが
 あらわにされるためです。
―― ルカによる福音書2章35節

 
 赤子がひたすら 泣き叫ぶ。
 その異常さと 恐ろしさ ―― どうしてこんな
  愛らしい 無垢な赤子が
 悲鳴を上げて いるのだろう ―― ここには一つ
 物ごとが 全然うまく回っていない そのことの
  証拠が確かにある。
 夢の中で天使が現れ 告げたこと
 それとは全く かみ合わない世界。
 
 空腹は 満たされず
  深い傷は 癒されない。
  ナチュラルとゲイの者は
  嘲笑と呪いで引き裂かれる。
  腹から湧き出る笑いの声があるべき所に
  生傷が疼く
  誕生は 血だらけだ
 
 全ての痛みは 一つの前触れ
 その先に 展開するのは 交響曲の甘美な調和
 「その内側に ねじ入れられた 核石の傷
 その痛みから 輝き始める真珠の不思議」
 
  十字の形のハナミズキ。
  飼い葉桶から十字架へ
  今また冷たい世間の中へ
  人が背負う 荷物の重さを
  今また軽くし給うために。
 
 抜く身となった 諸刃の剣
  それこそまさに 全ての基調。
 例年通り おいでくださる神が
  苦しみをくぐって 悦びへと進む。
 

この子の生きる生涯が、
イスラエルの多くの人々の罪過と
 回復の両方を知らせてくださる。
その生涯は誤解され、対立を生む ――
剣が貫くいたみによって、
嘘は暴かれ、その人の本当の姿を明らかにする。
それこそまさに、神の御業。
―― ルカによる福音書2章34b~35節

 
 *引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
書籍のお求めは、ヨベルオンライン公式ストアアマゾンストアで

 
 
 
   

この記事もおすすめ