6月13日「冷酷無比な動詞」

 聖書の最後には「ヨハネの黙示録」が収録されている。この書は、しばし邪悪な者に向けれた暴力的な言葉や復讐心があちらこちらに見られることで問題があるとされている。著者ヨハネは詩編にその言葉を学んだのである。あるいはこの著者ヨハネは、シオンの山に住む人々から「呪うことが上手な人」と呼ばれたイエスから学んだ人だった。しかし、イエスは「お前は、まさに悪魔だ」とペテロに言った。「あなたたちは地獄に通じた毒サソリだ」(マタイ23章33節)と、ファリサイ派の人々に言った。「お前たちに災いあれ」(マタイ23章)と、宗教を利用して自分たちの居心地をよくする人々を怒鳴りつけた。実際、そうした宗教が成立する背後には、弱い人々が抑圧され、貧しい人々が搾取されるという恐るべき損害が発生していたのである。(マタイ16章23節、マタイ23章)終わりが迫り、神の敵たちが神の救い主を殺す準備をしている中で、イエスは詩編137編にある最も冷酷無比な動詞を選び出し、バビロン別名エルサレムに向けて使われたのである。

エルサレム、エルサレム!
預言者たちを殺す者たち!
神のメッセージは、あなたにもたらされたのに、
そのメッセージを携えてきた人を、あなたは殺した。
―― マタイによる福音書23章34a節

*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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