あの日、リアリティーをしっかりと見ていた人物はダビデだけであった。あの日、「エラの谷」で人間らしい様子を十分に示していた人物はダビデだけであった。リアリティーは、ほとんどの場合、わたしたちが見ることが出来ないもので成り立っている。人間性というものは、ほとんどの場合、新聞では決して報道されることのない事柄である。祈りに満ちた想像力によってだけ、あの日「エラの谷」で起こった出来事を聖なる歴史として説明することが出来る。あの日、あの場所で、神のリアリティー(God-reality)に凄まじい勢いで没頭し、人間性を逞(たくま)しく誇示した人物 ―― それが、ダビデであった。
イエスは言われた。
「わたしの国は、あなたたちの周りにある、あなたがたに見えるもので成り立っているのではない。」
―― ヨハネによる福音書18章36節
*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。