8月13日「麻酔の専門家」

 わたしたちの誇る豊かさと学識にもかかわらず(あるいは、それを理由として?)、北米に住む男性も女性も、多くの場合、「人間の苦しみ」に関して、呆れるほど無知である。さらに、恥ずべきことに、最近では多くのクリスチャンが、この無知を助長している。クリスチャンは右も左も皆、彼らのシンボルを「イエスの十字架」としていながら、また、その職務を「イエスの十字架」によって規定されているのに、麻酔薬の専門家の手を借りて、まさにその十字架を破棄している。

 これは教会のスキャンダルそのものである。というのも、クリスチャンは苦しみに関しては専門家のはずである。この世はわたしたちが苦しみに関して学んできたことを「知る必要がある」。わたしたちの隣人は、次のことを知る必要がある。 ―― 「苦しみとは、人生に起こり得る出来事の中で最悪のものではない。苦しみを忘れてしまうことは、苦しみよりよいことではない」ことを。

あなたがたが経験することの一つひとつを、イエスは経験した。それよりもさらに多くを経験した。だから、イエスのように考えることを身につけなさい。あなたの苦しみについては、それによって罪深い習慣から離れることができる機会だと、捉えなさい。これまでのあなたのやり方が。いつもその習慣に行きついてきた。苦しみによって、そうしたものから解放される道が開けるだろう。あなたの欲望が専制君主のようにあなたを支配し、あなたはどうしても、罪深い生活を追求せざるを得なかった。しかし苦しみをきっかけにあなたは解放され、新たに神のみ旨を追求することができるようになるだろう。
―― ペトロの手紙(一)4章1~2節

*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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