「青年宣教サミット2022」が1月24日、Zoomを使ってのオンラインで開催された。日本福音同盟(JEA)青年委員会が2017年秋から開いているもので、今回のテーマは「これからの青年宣教」。現在JEAに加盟している教団、教派、宣教団体など全国から103人が参加した。
はじめに、JEA青年委員会委員長の蔦田聡毅(つただ・さとき)氏(イムマヌエル綜合伝道団・イムマヌエル堺キリスト教会牧師)が、開会のメッセージを語った。その中で、教会の中でよかれと思ってやっていることが、青年たちとの間に壁を作ってしまう危険性があることを伝えた。その一方で、神の民はずっとこのような壁を乗り越え続けてきたと話し、自分たちがいなくなった後も青年たち世代に伴ってくださる聖霊にもっと大胆に委ね、希望を持って教会の再建のために励んでいきたいと語った。
続いて行われた発題では、水谷潔(みずたに・きよし)氏(日本福音キリスト教会連合春日井聖書教会協力牧師)と、宇賀飛翔(うが・ひしょう)氏(OneHopeディレクター)が登壇した。
水谷氏は「青年たちに恋愛と性を語る ーー聖書から、愛を込めて、祝福を願って」と題して、性や恋愛におけるクリスチャンの青年たちの現状、また青年たちに性や恋愛をどのように伝えていけばいいのかについて語った。この20年間で青年たちを取り囲む性の情報はまるっきり変わっていると指摘。傷つきたくないというメンタリティーから、バーチャル化した女性や、アダルトサイトなど二次元の女性のほうに魅力を感じ、今は「性の乱れ」ではなく、青年たちの「性を壊している」と話す。
そのような現状の中、青年たちに伝えるべきこととして、創世記を紐解きながら、性の本質と目的と厳粛さの3つを挙げた。恋愛と性は、神様が造り、祝福し、よいと評価したものであり、人類に性を与えたのは、愛の交わりである結婚のためであること。そして、性は命を生み出すためであり、性行動にはいのちの責任が伴うと力を込めた。
性や恋愛を伝える際に大切なのは、恥ずかしい質問もできる信頼関係。過ちに際しても、共に罪を悲しみ、回復を助けてあげてほしいと訴えた。さらに、性教育ネグレストについても触れ、愛し合い共に生きる両親夫婦こそ、最高の実物教育であることも伝えた。そして、青年たちを本当に愛して、変わることのない真理である聖書から恋愛や性について話し、青年たちの将来の祝福を願ってほしいと締めくくった。
2人目の発題者の宇賀氏は、OneHopeの働きである「聖書プロジェクトについて」について語った。これは、2013年にアメリカ・オレゴン州で始まった「バイブルプロジェクト」を日本語化したもので、聖書各章の紹介や、聖書の特徴を分かりやすく解説した5〜8分程度のアニメーション動画をYouTubeを使って配信している。2019年に日本語化をスタートさせてから、クオリティーの高いアニメーションと、分かりやすいナレーションで評判を呼び、現在までに150本ほどが公開されている。
宇賀氏は、3年間聖書プロジェクトに関われたことをいつも主に感謝していると述べると同時に、聖書プロジェクトには、最高のメンバーが与えられたことを伝えた。一人一人が専門性の高い人たちばかりで、忙しい中にもかかわらず、快く加わってくれたのは、宇賀氏が聖書プロジェクトについて話すとき、ワクワクしていて、情熱を感じたからだという。この話から、これからの青年宣教について次のように語った。
「今の青年宣教には、『神様のためにこれをやりたい』というワクワクするようなプロジェクトが少ない気がします。とりあえず、無難に今までどおりにとか、行事をこなすという感じになりがちです。私は、アメリカのバイブルプロジェクトが、楽しく全力で動画を作っているのを見て感銘を受け、心に火がつきました。多分この3年間、ワクワクする気持ちだけが原動力になっていたと思います。ワクワクするアイディアが青年にあったら、ぜひ応援してほしい。それで前進するのではないでしょうか。聖書プロジェクトもやがて終わります。その時にはまたワクワクすることを始めたい。青年宣教の仲間とともに主にたずね求めながら、ワクワクすることを神様のためにささげていきたいと思います。」
この後、「恋愛・結婚・性についてどう伝えるか」「聖書プロジェクト」「楽しいオンライン集会の作り方」「対面イベントの持ち方」「0から始める青年宣教」「高校生伝道・学生伝道相談室」をテーマに分科会が持たれた。