⽇本語賛美歌の情報を集約し、教派や教集を超えて検索・活⽤できる仕組みを整備するため、「⽇本賛美歌データベース協会(仮称)」の設⽴準備が進められている。データベースの構築と継続的な運営に向け、会員としての参加や資料提供、寄付など幅広い協⼒を呼びかけている。
同協会が⽬指すのは、⽇本語賛美歌に関する情報を保存するだけでなく、教会、学校、出版社、⾳楽関係者、研究者、愛好家らが知識や経験を共有できる共同の基盤(プラットフォーム)をつくること。賛美歌の研究や礼拝、教育、演奏、出版に役⽴てるとともに、次世代への継承につなげる。
海外では、英国の「The Canterbury Dictionary of Hymnology」や北⽶の「Hymnary.org」など、賛美歌に関する⼤規模なデータベースが整備され、研究や実践の場で活⽤されている。ドイツではデータベースを元に、アプリが開発され礼拝試用も行われている。さらに、19世紀に英語から翻訳された南アフリカの賛美歌や、中国語賛美歌を対象とするデータベースの構築も進められているという。
⼀⽅、⽇本では明治以来、翻訳・創作されてきた賛美歌の情報が、教派や出版社、教会、学校、個⼈などに分散しており、教派や歌集を横断して利⽤できる統合的なデータベースは、いまだ構築されていない。関係団体を取り巻く環境の変化によって、資料の整理・歌集編集の知識や経験の継承も難しくなっていることから、情報を相互に結び付け、継続的に保存・更新する体制づくりが課題となっている。
計画するデータベースでは、主題、聖書箇所、歌詞、⼈物、旋律、収録歌集、時代、教派など、多様な項⽬から賛美歌を検索できる仕組みを⽬指す。礼拝やキリスト教教育で使⽤する賛美歌を探したり、編集・創作に際して過去の訳詞や収録状況、権利情報を確認したりすることを想定。研究者や⼀般利⽤者が⼈物、歌集、歌詞、旋律を横断的に調べることも可能にする。
構築にあたっては、⼤学を中⼼とする研究プロジェクトとして設計・開発を進め、協会が研究者と賛美歌を歌い、教え、編集し、出版し、保存してきた⼈々との橋渡し役を担う。収集した歌詞や楽譜、⾳源、⼈物情報、歌唱実践の記録などは、権利関係を確認しながら保存・管理する。提供された資料をすべて⾃動的に⼀般公開するのではなく、提供者の意思や利⽤⽬的、著作権などを尊重し、公開範囲を適切に設定する⽅針だ。
また、データベースは⼀度構築して終わりではなく、新たな資料の追加、情報の訂正、検索機能の改善を続ける必要がある。協会では研究期間終了後も責任を持って運営を継続できる体制づくりを目指す。
協会は規約に基づき、会員総会と役員会によって運営する予定。会費や寄付⾦、助成⾦、事業収益などを財源とし、決算についても監事の監査を経て総会に報告するなど、透明性のある運営に努めるとしている。呼びかけ⼈には、浦上充(⽇本基督教団讃美歌委員会)、江原美歌子(⽇本バプテスト連盟)、中⼭信児(福⾳讃美歌協会)、⼭本美紀(⻘⼭学院⼤学)の各⽒が名を連ねた(括弧内は所属)。
現在、会員として運営に参加する個⼈・団体のほか、賛美歌に関する資料や情報の提供、システムのテスト運用への参加、寄付・助成などによる⽀援を広く募っている。原資料に限らず、複製物やデジタルデータ、内容確認への協⼒も歓迎するという。問い合わせは⽇本賛美歌データベース協会(仮称)・⼭本(Eメール=jahymndba[アットマーク]gmail.com)まで。
