今日10月31日はハロウィン。マルティン・ルターが贖宥状の販売を糾弾する「95ヶ条の論題」を貼り出してプロテスタントが生まれた「宗教改革記念日」でもあります。
ハロウィンをキリスト教の祭りと勘違いしている人も多いですが、キリスト教では異教とされるヨーロッパのケルト人の祭りです。秋が終わり、冬の始まりとともに死者の霊や魔女が訪れるので、人々は仮装して身を守り、魔除けのたき火をしました。現在、魔女やお化けに仮装した子どもが近所の家を訪ねてお菓子をもらったり、カボチャをくり抜いたランタンを飾ったりするのは、その名残です。
カトリックでは11月1日、「諸聖人の日」として、すべての聖人と殉教者を祝います。英語で「All Hallows’ Day」といい、その前夜(イブニング)「All Hallows’ Eve」の短縮形が「ハロウィン」(Halloween)です。
しかし宗教改革以降、プロテスタントでは聖人崇敬(聖人を信仰の模範として敬うこと)を排除したため、米国などプロテスタントの強い英語圏の国々で、近年かえって異教の祭りが広まるという皮肉なことになりました。クリスマスやイースターだけでなく、今こそ教会暦を用いて、日々、個人としてだけでなく共同体として信仰に生きる習慣を見直してもいいのではないでしょうか。
カトリックの誤った点を聖書に基づいて正したのが宗教改革で、カトリックも16世紀の対抗宗教改革や第2バチカン公会議(1962~65年)などで自己改革を進めています。時間はかかりますが、カトリックもプロテスタントも一つのキリストの体であることをこの世にあって証しできるようになるといいですね。