今日11月5日はヴィヴィアン・リーの誕生日。英国の大女優です。「風と共に去りぬ」「哀愁」「欲望という名の電車」などの名作に主演し、そのたぐいまれな美貌と演技力が称えられる一方、双極性障害(躁うつ病)や結核に苦しむ俳優人生でもありました。
1913年にインドで生まれ、敬虔なカトリック信徒であった母親の意向で、6歳の時にインドを離れ、英国のカトリック女子修道院の寄宿学校に入学します。その頃から女優になる夢を抱き、37年に映画「無敵艦隊」のヒロインに抜擢されました。
「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ役に決定したのはその翌年のクリスマスで、この世紀の大役を見事に演じきり、アカデミー主演女優賞を獲得しました。南北戦争を背景に、気性の激しい南部娘スカーレット・オハラの半生を描いた3時間42分の超大作。スカーレットの恋愛が軸となっていますが、南部の戦況がだんだんと厳しくなり、人々が疲弊していく姿がとても生々しく表現されています。
特に有名なのは、戦争ですべてを失ったスカーレットが、荒涼とした畑で見つけた泥だらけの小さな大根にかじりつき、泣きながらも立ち上がって、次のように宣言するシーンです。
「神様が証人である限り、私はこの試練を生き抜いてみせます。2度と家族を飢えさせません。人をだましたり、盗んだり、人殺ししたりしてでも」
聖書の教えとは真逆のことを言い放つスカーレットですが、この時代の嘘(うそ)ではない重みを持っており、とても印象に残るセリフです。