Q.妻帯者の牧師を好きになってしまいました。どうすればよいでしょうか?(20代・女性)
その牧師のどんなところが好きなのですか? ルックス、人柄、あなたへの思いやりと導きでしょうか? 「好き」な気持ちは、神の造られた大切な感情です。男女間での「好き」の感情はもう少し複雑で、好かれたい、独占したい恋心へと膨らんでいきます。
「恋心」は、その人に近づき、愛し、愛されたく願う心の動き。そのエネルギーは未知数で、人類がこれまでに歌ってきた恋の歌の多さに物語られます。この理屈では扱えない心の動きに、想い(思考)も体も動かされてその異性に向かいます。二人が結合へと導かれるエネルギーとでも言いましょうか。ただ、このエネルギー、感性的な側面が大きいので、もう一度立ち止まり理性力(神の与えられた、考え選ぶ力)を持って扱わないと危険さえ伴うのです。
あなたの理性の声を聞きましょう。牧師に何を望んでいますか? 牧師は何を望んでいるのでしょう。もしもあなたが、牧師から女性として愛され、選ばれることを願うならば、「神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない」とイエスが尊ばれた結婚を壊し、イエスの言葉に反する道を望んでいることになるのです。
「愛することは、選ぶこと」と三浦綾子は伝えています。感情は心の声ですから、否定される必要はありませんが、自分の考え、行動は選択していくことができます。状況、み心などを理性的に考え、自分の意思で選んでいくのです。
人は誰でも愛されたい欲求があります。しかし、満たされない思い(愛への渇望)が強すぎて、「好き」と共鳴して理性を鈍らせ、感情に支配されてしまうことも多々あります。「好き」との気持ちだけで行動してしまったらどのようなことになるでしょう。人から愛され助けられ、守られることを求める姿は、自分の必要だけを求める雛鳥の姿なのかもしれません。
「好き」な人の幸せを願う、その人の大切なものを大切にする、それがもう一段階成長した、愛するという姿ではないのでしょうか
にしおか・まりこ 東京聖書学院、タルボット神学校(結婚・家族ミニストリーの修士)卒業。日本ホーリネス教団川越のぞみ教会で夫と共に牧会。結婚カウンセリング 「プリペアー/エンリッチ」の日本推進委員。ファミリー・フォーラム・ジャ パン評議員、臨床牧会研究会・結婚カウンセリング部門担当委員、3人娘の母。