NCC主催の宣教会議、14年ぶりに開催 宣教宣言2019を採択

 

日本キリスト教協議会(NCC)が主催する宣教会議が14~16日、在日本韓国YMCAアジア青少年センター(東京都千代田区)をメイン会場に開催された。

2018年に創立70周年を迎えたNCCは、これまで2回、宣教会議を開催している。1回目は創立50周年にあたる1998年、2回目は敗戦後60年にあたる2005年。今回もその流れを大切にしつつ、16年度と17年度に4回にわたって「NCC主催・宣教会議2018プレ集会」を開き、準備を重ねてきた。

金性済氏

初日は、NCC創立70周年記念礼拝が持たれ、100人を超える人が集った。エキュメニカル運動団体にふさわしく、アジアやアフリカの言葉で賛美歌が歌われ、聖書が韓国語や中国語、うちなーぐち(沖縄の言葉)、そして日本語で朗読された。次いで、6人の代表者がマイノリティーの人々の言葉を紹介。その後、NCC総幹事の金性済(キム・ソンジェ)氏が、ペンテコステをテーマに、「宣教は聖霊の風に吹かれ──オイクメネーの地の果てに遣わされる宣教の道」と題して、使徒言行録からメッセージを語った。

パネル・ディスカッション登壇者。左から吉高叶氏、藤原佐和子氏、平良愛香氏、有住航氏、⻄原美香子氏

引き続き、「エキュメニカル運動の過去、現在、未来」をテーマにパネル・ディスカッションが行われた。登壇者は、有住航(ありずみ・わたる)氏(NCC東アジアの和解と平和委員、日本基督教団)、平良愛香(たいら・あいか)氏(平和を実現するキリスト者ネット事務局代表、日本基督教団)、藤原佐和子(ふじわら・さわこ)氏(アジア・キリスト協議会常議員、日本ルーテル神学校非常勤講師)、?髙叶(よしたか・かのう)氏(NCC常議員、日本バプテスト連盟)の4人で、⻄原美香子(にしはら・みかこ)氏(日本YWCA幹事、日本聖公会)がコーディネーターを務めた。

クリスチャン人口1%から見えてくるエキュメニカル運動の必要性、福音も社会と地続きでつながっていること、エキュメニカル運動の未来のためにNCCが担うべき役割などを語り合った。

マイノリティーの人々の言葉を紹介する6人の代表者

2日目は、NCCの各委員会の分科会が日本キリスト教会館(東京都新宿区)で行われ、午後からは「宣教」「奉仕」「証し」「祈り・礼拝」のテーマごとに分科会が開かれた。その後、「宣教宣言」が作成され、翌日の最終日に採択された。

本文は次の5つから構成される。「『み言葉=ケリュグマ』──み言葉に聴き、伝えること」、「『奉仕=ディアコニア』──世界、社会の必要に応え仕えること」、「『証し=マルトゥリア』──生活の中で福音を具体的に証しすること」、「『祈り・礼拝=レイトゥルギア』──祈り・礼拝すること」、「『交わり=コイノニア』──主にある交わり、共同体となること」。

さらに、この宣言文をそれぞれの教会で覚えてもらうため、「共同を願い、聖霊を求める祈り」というリタニー(連祈)も作られた。

宣教宣言を読み上げた後、宣教会議は次の言葉で締めくくられた。「NCCはさまざまな違いがあるが、一つの船に乗り込み進んで行く。エキュメニカルという交わりの船に。この船の行き先は神のおられるところ。神はこの世界の小さくされ弱くされた人たちの周りにいます」

作成された宣教宣言は、分かち合いの中で修正された上で採択され、参加者全員で読み上げられた。

1923年に設立された日本基督教連盟は、41年にプロテスタント諸教会が合同して日本基督教団が設立したことで解散したが、戦後、各教団が独立したことから、48年に日本基督教協議会として再設立。その後、「基督」を「キリスト」と改めた。世界教会協議会(WCC)やアジア・キリスト教協議会(CCA)、および各国の教会協議会と同様、主流派の神学的潮流を背景としたエキュメニカル運動を担っている。

加盟教派・団体に、日本基督教団、日本聖公会、日本福音ルーテル教会、日本バプテスト連盟、日本バプテスト同盟、在日大韓基督教会、日本YMCA同盟、日本YWCA、日本キリスト教婦人矯風会、日本キリスト者医科連盟、日本聖書協会、日本基督教文化協会、キリスト教保育連盟、基督教視聴覚センター。準加盟教派・団体には、キリスト者政治連盟、アジア保健研修所、日本友和会、東京聖書集会、基督教イースト・エイジャ・ミッション、日本自由メソヂスト教団、日本クリスチャンアカデミー、日本盲人キリスト教伝道協議会、ウェスレー財団、早稲田奉仕園、CWS Japan、国際基督教団、ドイツ語福音教会、キリスト友会日本年会、国際基督教大学教会、東京ユニオンチャーチ、神戸ユニオンチャーチ、ウエスト東京ユニオンチャーチ、横浜ユニオンチャーチが名を連ねる。

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