3月20日「あなたがたに会いたいのは、力になりたいから」

あなたがたにぜひ会いたいのは、”霊”の賜物をいくらかでも分け与えて、カになりたいからです。(ローマの信徒への手紙1章11節)

この言葉は、パウロがローマの兄姉たちに会いたいと願っている理由である。霊の賜物とは、御霊なる神がキリスト者に与えてくださる恵みである。ある人には知恵の言葉、ある人には奇跡を行う力、ある人には預言する力など、各々に与えられる霊の賜物は違うが、「一人一人に”霊”の働きが現るのは、全体の益となるため」である(Iコリント12・7)。すなわち、キリスト者に与えられる霊の賜物は、互いに分かち合われ、結び合わされて、教会の宣教に用いられる。それゆえに、パウロはローマに行って、自分に与えられた霊の賜物を兄姉たちと分かち合うことにより、ローマの教会の宣教が強められることを願うのである。

パウロは自分の能力や人間的魅力を発揮して、兄姉たちの力になろうというのではない。また、格調のある説教で兄姉たちを励まそうというのでもない。そういう期待でパウロが迎えられるならば、その人たちは失望するであろう。パウロが分かち合いたいイエス・キリストの恵みとは、パウロの弱さの中でこそ与えられたものである。「主は、『わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ』と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ喜んで自分の弱さを誇りましょう」(Ⅱコリント12・9)。パウロは罪と弱さと限界を持っている人間であるにもかかわらず、彼を愛し、支え、そのような彼を用いられるキリストの恵みを語り、分かち合うことによって、兄弟姉妹を励ます。教会はこのキリストの恵みを分かち合う交わりである。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

この記事もおすすめ