1月14日「御国が来ますように」

御国が来ますように。(マタイ6:10)

「御国」とは、神が義と愛をもって支配する国である。主イエスは、「神の国は近づいた。悔い改めて、福音を信じなさい」(マルコ1:15)と宣教し、人々を神の国に招いた。福音とは、主イエスの死と復活によって、神が人を罪から贖(あがな)い、神の御手に取り戻す「良き知らせ」である。福音を聞いて、主イエスを信じる者は、神の義と愛の御手の中にいる。神の国はすでに始まっている。神の国は、主イエスを信じ、主と共にいる世界である。

ところが、自分はそれほど罪深くないと思い込んでいる人、この世の営みに没頭している人、社会的立場にこだわっている人は、主イエスの招きを拒絶した。主の招きに応えたのは、貧しい人、病人、社会からはじき出されていた人々であった。主イエスは病人を癒(いや)し、打ちひしがれている者を立ち上がらせるご自分のわざを示して、「神の国が到来している」と言った。主によって神の救いがもたらされるところ、そこに神の国は始まっている。

私たちは人と比べて、「自分はまともな人間だ」、「自分は間違ったことをしていない」と思っている。しかし聖書は、「正しい者はいない。一人もいない」(ローマ3:10)と宣言する。神の目には、だれ一人として罪の赦(ゆる)しを必要としない者はいない。また、だれでも主なる神と結ばれなければ、魂は満足しない。「御国が来ますように」とは、第一に、神なしに生きようとする自分の罪を知って悔い改め、「神の国に生きる者にしてください」という祈りである。第二に、すでに始まっている神の国は、終わりの日に完成するという神の計画を信じる者たちが、その日を強く待ち望む祈りである。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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