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◆1529年3月24日 龍造寺隆信の誕生日
龍造寺隆信は戦国時代、肥前国の戦国大名で「肥前の熊」と呼ばれ九州三強の一人とされました。
キリシタン大名として有名な有馬氏や大村氏と対立していたため、宣教師からは「味方の敵」ということで、恐れられていました。隆信さんとしては、有馬氏や大村氏のように西欧の文化や鉄砲を取り入れるために、自領にも宣教師を呼びたかったようで、なんども「宣教師さん、来てください」と手紙を送ったりしたのですが、なかなか宣教師が行くことはありませんでした。ようやく一度宣教師が訪れても、隆信側が領内でのキリスト教布教を許可しただけで、公益については約束を締結することはできませんでした。どうしてこんなことが起きたかといえば、有馬氏や大村氏が、敵の龍造寺家に鉄砲などの兵器が渡るのを防ぐために、龍造寺をことさらに悪く伝えたというのが真相のようです。
のちに息子の後藤家信がキリシタンになろうとしたときには、猛反対してやめさせたという話が残っています。もちろん、もともと彼自身にはキリスト教への関心はなく、ただ鉄砲が欲しかっただけという面もあるとは思いますが、
宣教師にそんな扱いをされればたとえもともとキリスト教自体に興味があったとしても、キリスト教を嫌いになるのも無理がない気がします。
ただ、宣教師の間でも彼の戦上手については評価していたようで、ルイス・フロイスは「あのカエサルでもこんなに細心の注意と配慮、そして決断はできなかっただろう」と記録しています。そんな戦上手だったからこそ、「こんな奴に鉄砲なんて持たせたらいよいよ手が付けられない」と、余計に警戒されたのかもしれませんが。
それではまた明日。

MARO 1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。 10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)2022年3月15日発売。