主の御名をあがめます。
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◆1431年11月10日 ヴラド・ツェペシュ公の誕生日
一昨日のこのコーナーで紹介した、ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」のモデルになった、15世期のワラキアの王、ヴラド・ツェペシュ公の誕生日です。
「ツェペシュ」というのは「串刺し」という意味の彼のニックネームで、彼の本当の名前は単に「ヴラド3世」です。重罪人を串刺しの刑に処することが有名で「串刺しヴラド」と呼ばれたわけです。しかし、当時の諸国では串刺し刑は処刑の方法として決して珍しい方法ではなく、特に身分の低い罪人に対しては彼の国に限らず頻繁に行われていました。彼が「串刺しヴラド」と呼ばれたのは、この串刺し刑を身分を問わず、貴族階級の罪人にも行ったからだと言われています。同じ罪を犯しても身分によって刑罰が違うということは当時は当たり前でした。それを崩した彼は近隣諸国に良くも悪くも名を響かせたのだと思います。
また、敵国のいわゆるネガティブ・キャンペーンによってこう呼ばれたとも言われています。敵国のリーダーの悪い噂を流して国の結束を崩し、ひいては国力を衰えさせるという、いわゆる「離間の計」あるいは「流言飛語」は今も昔も計略の基本です。
彼をモデルとしたドラキュラ伯爵は十字架や聖なる物を苦手としましたが、彼自身は、キリスト教徒でした。もともとは正教会の信徒で、後に政治的な理由でカトリックに改宗しました。しかしどうもこの改宗が領内の人々の人心を失うことになったようで、その結果として戦死してしまいました。
「ドラキュラ」のイメージと共に長らく「悪役」として扱われてきましたが、近年では「自分の領地を侵略から守った英雄」として再評価もされているようです。
それではまた明日。
主にありて。