主の御名をあがめます。
MAROです。皆さまいかがお過ごしでしょう。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期ですが、今年はただの風邪でも例年以上に不安になってしまう年回りですから、いつも以上に気をつけてくださいね。さて、今週もつらつらと始めます。よろしくお付き合いくださいませ。
先日、キャンプに行ったのですが、よく晴れていたので、夜になると星がたくさん見えました。秋の星座の代表格のカシオペヤ座が綺麗に見えていました。星座に詳しい方ならご存知だと思いますが、カシオペヤ座はちょうどアルファベットの「W」の形をしています。それで少し嬉しくなって、しばらくそれを眺めていたのですが、するとだんだん目が慣れてきて、その有名な「W」の形を構成する明るい星だけでなく、その隙間にあるたくさんの小さな星も見えてきました。ああ、こんなにたくさん星ってあるんだなぁ、なんて思ってさらに眺めていたら、どんどんその小さな星々が明るく見えるようになってきて、しまいにはその小さな星々に紛れてしまって、有名な「W」の形が分からなくなってきてしまいました。僕はカシオペヤ座を観察しすぎて、カシオペヤ座を見失ってしまったのでした。そこで一度、しばらく目を離してからもう一度見てみましたら、またちゃんと「W」のカシオペヤ座を認識しなおすことができました。そして、そうやって認識し直したカシオペヤ座は、最初に見た時よりも、ずっと深みがあって綺麗に見えました。それはたぶん最初には見えていなかった小さな星々の光を認識できるようになっていたからです。
何かをずーっと見ていると、ふと、自分が何を観察しているのか分からなくなるようなことって、ありませんか?一番シンプルなたとえで言えば、何かの文字をずーっと見ていると、だんだんその文字が文字ではなく、ただの図形に見えてきたりとか。あるいは、誰かの顔をずーっと見ていたら、急にその顔が知らない人の顔に見えたりとか。こういう現象を「ゲシュタルト崩壊」って呼ぶらしいです。僕はキャンプ場で過ごした夜に「カシオペヤのゲシュタルト崩壊」を体験したわけです。
この現象は目に見えるものについて、よく起こると言われていますけど、僕はこれは、目に見えないものにも起こることじゃないかなと思います。よくあるじゃないですか、「考えれば考えるほど分からなくなる」ことって。あるいは何かをずーっと好きで、ずーっと情熱を寄せていたけれど、急にふと「あれ?僕はどうしてこれが好きなんだろう?」って思う瞬間とか。
それって、いずれにせよ、何かにずーっと関心を持って、ずーっとそれを見つめた人にだけ、起こることです。そして、その崩壊を超えた先に、前よりもずっと良いそれが現れたりするんです。
聖書とか神様についても、そんな「ゲシュタルト崩壊」が起こることがあります。聖書を何度も読んだり、神様についてずーっと考えたりしていると、ふと、それまで分かっていたはずのことが、分からなくなってしまうことがあります。そんなとき、人によっては「自分は神様が分からなくなった」とか、ひどい時は「自分は神様に見捨てられてしまったんだ」とか思って、落ち込んでしまったりもします。でも、落ち込む必要はないんです。「崩壊」が起きたということは、聖書や神様をずーっと見つめ続けた証拠です。カシオペヤを見つめ続けることで、カシオペヤには「W」の5つの星だけでなく、他のたくさんの星があるのだということを知ったからこそ、カシオペヤが「崩壊」してしまうのと同じように、聖書についても神様についても、それを見つめ続けた結果、きっとそれまでよりも深いたくさんのものが身についたからこそ、「崩壊」が起きてしまうんです。だからもしそれが「崩壊」してきたらむしろ「よし、それだけ前には見えなかったものが見えてきたんだな」と喜ぶべきだと思います。
誰かを愛し続けていたらふとその愛が「崩壊」してしまったとき。仕事やスポーツに打ち込んでいたらふとその情熱が「崩壊」してしまったとき。大好きなエビフライを毎日食べていたらふとそのおいしさが「崩壊」してしまったとき。そんな「崩壊」はきっと悪いことではありません。そんなときは一度、その愛や情熱やおいしさからしばらく心を離してみて、それでもう一度向き合いなおせば、前よりも良い、愛や情熱やおいしさを感じられるかもしれません。
聖書や神様についてだって同じです。毎日読むこと、祈ることももちろん大切ですけど、それで「崩壊」してしまったら、ちょっとだけそこから離れることも大切なのかもしれません。仕事だってなんだって、たまには休まないと効率が上がらないものですし。それはきっと信仰についても、希望についても、愛についても同じなんじゃないかと思うんです。
疲れの出やすい季節ですから、皆さん本当に、あんまり根を詰めすぎないようにしてくださいね。「崩壊」したら一息入れましょう。
それではまたいずれ。MARO でした。
主にありて。