今日3月6日は弟の日です。
姉妹型、兄弟型(兄弟や姉妹との関係で性格が分かるというもの)の研究で知られる漫画家の畑田国男さんが1992年に制定しました。ちなみに、6月6日が「兄の日」、9月6日が「妹の日」、12月6日が「姉の日」と、3カ月ごとの6日になっています。
聖書で最初に出てくる弟というと、アベル。エデンの園を追われたのち、アダムとエバの間に生まれた、兄カインに続く第2子です。
アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。アベルもまた、羊の初子、その中でも肥えた羊を持って来た。主はアベルとその供え物に目を留められたが、カインが弟アベルに声をかけ、二人が野にいたとき、カインは弟アベルを襲って殺した。(創世記4:2~4)
このように、最初の殺人の犠牲者であり、映画「エデンの東」など、兄弟間の心理的葛藤(カイン・コンプレックス)を描く物語ではしばしばその下敷きにされています。
新約聖書では、「きょうだいたち、世があなたがたを憎んでも、驚いてはなりません」(1ヨハネ3:13)として、この物語が引き合いに出され、また「地上に流された正しい人の血」(マタイ23:35)として、アベルを最初の殉教者に挙げています。さらに、有名な信仰者列伝では、アベルの信仰を初めにたたえています。
信仰によって、アベルはカインにまさるいけにえを神に献げ、それにより正しい者であると認められました。神がその供え物を認められたからです。アベルは死にましたが、信仰によって今も語っています。(ヘブライ11:4)
しかし、「アベルの血より優れたことを語る注がれた血」こそ(同12:24)、キリストが私たちのために流された血潮です。
旧約聖書には、そのほかにも「弟」は出てきて、次に有名なのは兄エサウと弟ヤコブの話。弟のほうがずる賢くて、兄をだまして長子の権利を奪います(創世記25章)。そして、ヤコブの12人の息子のうち、弟のヨセフとベニヤミンが物語の中心になっていきます(同42~45章)。
新約では、イエスの十二弟子に、ペトロとアンデレ、ヤコブとヨハネの兄弟がおり、イエスにも「ヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダ」という兄弟がいます(マタイ13:55)。
ほかに「弟」といえば、「放蕩(ほうとう)息子」のたとえで、弟が放蕩の限りを尽くした後に悔い改めて父のもとに戻ってきます(ルカ15:11~32)。「二人の息子」のたとえでは、「弟は『はい、お父さん』と答えたが、出かけなかった」(マタイ21:30)とあるように、弟のほうが悪いキャラクターです。