【インタビュー】金ジングクさんと鈴木まどかさん夫妻 キリストにあってスポーツも礼拝です!

 

「スポーツ・ミニストリー」をしている金ジングクさんと鈴木まどかさん夫妻(日本福音キリスト教会連合・本郷台キリスト教会会員)。二人は2018年から、「キリストにあってスポーツも礼拝です!」をスローガンに、クリスチャン・アスリートを探し、教会とスポーツをつなぐサポートをする「アスリート・チャーチ」というネットワークを広げている。その働きをについて話を聞いた。

金ジングクさん(左)と鈴木まどかさん夫妻

ジングクさんは元韓国代表の陸上競技短距離選手。現役時代、日本では、礼拝に行く日曜日にもしばしば練習や遠征試合があり、そのことにずっと悩んでいたという。

「競技者としての人生も、神さまからいただいた賜物(たまもの)ですから、それを教会の働きとして生かせる場所はないかと、神様に祈りながら探し求めていました」

そんなとき、スポーツ宣教の働きをしている本郷台キリスト教会の主任牧師、池田恵賜(いけだ・けいし)さんに出会った。それによって二人の人生が大きく変わったと、まどかさんは振り返る。

「池田先生たちが開いた『エスペランサSC(スポーツ・クラブ)』の競技場を初めて見させていただいた時、スポーツ界の一人の魂に届くために実際に教会が取り組んでいるということ、そして子どもたちが楽しそうにサッカーをする姿を見て感動しました。その時から、『慣れ親しんだ場所を離れ、アブラハムのように神様に身を投じる時、神様が何か新しい道を見せてくださる』という思いがどんどん大きくなっていったのです。

そのころ、息子と娘は『聖書の価値観で教えてくれる学校と保育園に行きたい』と祈っているところでした。また夫も、『今の働きと並行して神学を学びたい』という願いを持っていたんですね。本郷台にはちょうど子どもや主人の希望に添う環境があったことから、アブラハムのようにすぐに引っ越す決断をしました」

金さん一家

そうして2017年7月、一家4人で名古屋オンヌリ教会から本郷台教会に拠点を移した。まどかさんも元ジュニア日本代表の長距離選手だったことから、まず「走る教会」という名称で働きを始めて、二人で全国各地の教会を訪問するようになった。すると、どの教会にも必ずと言っていいほど、さまざまなジャンルのスポーツで活躍する優れたアスリートがおり、スポーツと信仰の両立の難しさに葛藤している人が多いことを改めて痛感したという。そこで、働きの名称を「アスリート・チャーチ」に改めることにした。

「この活動を続ける中で、子どもの頃に『教会か、部活・スポーツか』という二択を迫られて傷ついてきた人たちにも出会いました。彼らは、次の世代の子どもには自分と同じ思いをさせたくないと思っているんですね。

そこで、『土曜日に子どもと聖書を読む時間を持って、日曜日には快く部活に送り出しては』など、いろいろな提案をしています。教会や大人たちが祈って子どもを部活に送り出すことで、神様が子どもを用い、周りの人々が救われていく御業(みわざ)がなされていくと思うのです。

こうした活動は、日本の教会のあり方の大きな改革にもつながるので、本当に地道に少しずつという感じですね」

本郷台キリスト教会で出場した栄区民ロードレースで

定期的にニュースレター「アスリート・チャーチ」も発行し、各地の教会で行われているスポーツ・イベントの様子や、二人が出会ったクリスチャン・アスリートなどをそこで紹介している。そうして、スポーツに関わる人たちのネットワークを作るとともに、スポーツと教会の架け橋となり、スポーツを通して福音を伝えることを「アスリート・チャーチ」の目標としている。

「また私たちの働きは、地域の教会を結びつける役割も担っています。たとえば、一つの教会では小さくて何もできなくても、同じ地域にある10の教会が集まれば、協力していろいろなイベントを企画することもできます。

教団・教派を超えて結ばれるのは、スポーツならではの魅力だと思っています。スポーツを通して日本の教会が一致して、たくさんのクリスチャン・アスリートも生まれ、スポーツ界の魂が救われてほしいと祈りながら歩んでいます」

最後に、今年開催される東京オリンピック・パラリンピックについて次のように語った。

「このビッグ・チャンスが生かされることを祈っています。また、オリンピック後のフォローアップも重要です。記念すべき年に、日本の教会がスポーツ・ミニストリーに理解を持ち、スポーツ界にいる8000万人の救いに関わってくださることを願っています」

河西 みのり

河西 みのり

主にカレーを食べています。

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