11月25日、映画監督の河瀬直美さんがユネスコ親善大使に任命された。日本政府代表部によると、ユネスコの活動を支援し、広報活動を行う親善大使への日本人の就任は5人目で、日本人女性としては初。
任命理由として、あらゆる年代の女性に焦点を当てた映画や映像制作を通じ、文化・クリエイティブ産業におけるジェンダー平等推進への貢献したことなどが挙げられている。
河瀬さんは以下のようにコメントしている。
「この地球上に暮らす、すべての人が唯一無二の存在として、その人生を謳歌する権利を有しています。
けれどあらゆる「ひずみ」の中で、特に女性の声を含む、小さな声がかき消されてゆく現実も目の当たりにします。
これら多様な価値観に光を当て、たしかな命のきらめきに気づかなければならない。
人類の根源的に豊かな営みを1000年先にも、またそのずっと先にも繋いでいきたい。
映画や映像制作を通じて、物語の中に、人類の豊かな未来を創造すべく、親善大使としての任を全うしたいと思います」
美しい映像とともに、懸命に生きる人々の感情を生々しく描く河瀬さんの作品は、1997年公開の『萌の朱雀』が第50回カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を史上最年少(27歳)で受賞したのを皮切りに、2015年にはハンセン病をテーマに描いた『あん』が第40回カトリック映画賞を、2017年には視覚障がい者に焦点を当てた『光』が第70回カンヌ国際映画祭においてエキュメニカル審査員賞を受賞するなど、国内外から高い評価を得ている。