日本聖公会主教会正義と平和委員会(委員長:上原榮正主教)は21日、「大嘗祭(だいじょうさい)への国の関与は政教分離の原則に反します」として、「天皇の退位と即位に関する声明」を発表し、安倍晋三内閣総理大臣宛に提出した。内容は以下のとおり。
2019年4月30日に現天皇が退位し、翌5月1日に新天皇が即位します。
前回の天皇逝去(せいきょ)と即位に際しては、本来は皇室の私的宗教行事である「大嘗祭」を公的な行事と位置付け、国費を支出しました。今回の天皇の代替わりに関する一連の行事も基本的な考え方や内容は、前回を踏襲する方針とのことです。
皇室の私的宗教行事である「大嘗祭」を公的な行事と位置づけ、国が関与して国費を支出することについて、わたしたちは日本国憲法第20条の信教の自由の保障にも、政教分離の原則にも明らかに反するものだと考えます。
また、「大嘗祭」を公的な行事と位置付けることにより、天皇が特別な存在であること、さらに神格化のイメージを植え付けることを危惧(きぐ)いたします。かつて、天皇を中心とした国家神道のもとで、植民地支配と侵略戦争をした反省の上に作られた憲法を守ることは、わたしたちの責任だといえます。
天皇の代替わりに関する一連の行事への国の関与について、上記の理由により、わたしたちは強く抗議します。