世界教会協議会(WCC)は「国際女性デー」の8日、ジュネーブのエキュメニカル・センターで礼拝を持った。
WCCのニュースによると、ルーテル世界連盟と共同で行ったこの礼拝では、紛争や移住、ジェンダーによる暴力、経済的搾取や差別を受けている女性のための深い反省や祈りもなされた。
「恵み深い神様。戦争の被害から逃れている人たちに、避難所と食事が与えられますように。避難する土地の人々が彼らを歓迎し、もてなしてくれますように。彼らに対する暴力の脅威をやめさせようとしている人々が、平和で癒やされる場所を見つけられますように。彼らと私たちが新しい始まりのための希望を持ち続けられるよう助けてください」
WCCは、女性への暴力に抗議する「黒の木曜日」キャンペーンを行っている。木曜日には黒色の服を着るというシンプルな意思表示によって、安全なコミュニティーを持つことへの希望を統一的に表現し、女性と少女への暴力の撲滅を促進している。
アジア・キリスト教協議会(CCA)のマシュー・ジョージ・チュナカラ総幹事も同日、「国際女性デー2019」の声明文を発表した(原文)。そこではこのように述べられている。
「ジェンダーの平等がすべてのレベルにおいて確立された世界を実現するという目標は、女性だけでなく、女性と男性の双方による絶え間ない奮闘を必要とします。……女性のエンパワーメント(力づけること)はあらゆる社会において、そして人生のあらゆる側面において、今まさに必要なことなのです。……信仰に基づく諸団体は、ジェンダーの平等が実現されたインクルーシブ(包括的な)社会と共同体という未来を形作る目標を達成する上で、重大な役割を担っているのです」
「国際女性デー」は、毎年3月8日に世界的規模で行われる、女性への差別をなくし、女性の地位向上を訴える日。そもそもの始まりは、1904年3月8日に米ニューヨークで女性参政権を要求した大規模なデモがあったこと。10年、第2回国際社会主義女性会議で、「女性の政治的自由と平等のために戦う日」の開催が決議され、以後、各国で実施された。21年、第2回国際共産主義女性会議において、ロシアの2月革命(17年)の発端になった女性労働者のデモを記念して、それまでバラバラだった実施日を3月8日に統一した。日本では23年から断続的に行われ、47年からは毎年続けられている。75年(国際婦人年)の3月8日から、国連がこの日を「国際女性デー」とすることを定めた。
この日は男性が親しい女性(母親、恋人、妻、娘、友人、同僚など)に花やプレゼントを贈ることが各国では習わしになっている。イタリアの「ミモザの日」は有名で、3月に黄色い小さな花を咲かせるミモザを男性が贈り、それを髪や胸に飾った女性は、この日ばかりは家事や育児から解放されるという。
米国や英国、オーストラリアは、国際女性デーに合わせて3月は女性史月間。ブルガリアやルーマニアなどでは、子どもが母親や祖母に小さなプレゼントを贈る記念日となっている。
ロシアでは、前述したように2月革命記念日でもあるが、今では政治的な意味合いはなくなり、女性を尊重する日になっている。ロシアやウクライナ、ベラルーシなどではまだ寒く、花は高価にもかかわらず、この日ばかりは男性が奮発して女性に花束を贈る習慣がある。