北九州市小倉北区の特定危険指定暴力団「工藤会」本部事務所跡地を活用し、「あるべき共生社会モデル」を提示するためにNPO法人抱樸(奥田知志=日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師=理事長)が立ち上げた「希望のまちプロジェクト」。当初、総額10億円の予算でスタートした計画だったが、ウクライナ侵攻、円安、人件費・資材の高騰で、建築設計、資金計画の大幅な見直し、4階建てから3階建てへの変更を余儀なくされた。想定を上回る約13億円に増額した予算に対し、多くの支援を得て2023年末には目標を達成。今年4月に建築着工の予定だったが入札が不成立となり、計画の継続そのものが危ぶまれる中、緊急融資で「一刻も早い入札」を実行するためのクラウドファンディングに改めて挑戦することとなった。
9月3日に厚生労働省で行われた会見で奥田氏は、「人口減少や単身化、孤独孤立が急激に進む中で家族や身内を基盤としてきた社会構造が崩壊しつつある。希望のまちは、今後日本社会が向かう将来に対して行う一つのチャレンジ。単に暴力団を壊滅して追い出すだけでなく、居場所のない若者や生きる意義が見出せない子どもたちを受け入れられる『まち』を作らなければ、問題は解決しない」と訴えた。会見にはプロジェクトを応援してきた村木厚子(全国社会福祉協議会会長、元厚生労働事務次官)、辻愛沙子(クリエイティブディレクター)、内田樹(神戸女学院大学 名誉教授)の各氏も駆け付けた。
同プロジェクトへの支援は、レディーフォーの当該ページ「希望のまちを諦めない、抱樸をひとりにしない 緊急プロジェクト」(https://readyfor.jp/projects/2024kibou)から。