栗原茂著 ある牧師の眼(金井美彦)【本のひろば.com】

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評者: 金井美彦

牧師は結局、神にのみ責任を負う
〈評者〉金井美彦


ある牧師の眼
その視線の先にあるもの

栗原 茂著
四六判・349頁・定価2200円・リトン
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本書は自伝と言えないものの、氏の生い立ちから牧師になるまでの経緯(第一部「生い立ち」)、一九七五年から十三年にわたる、ルーテルアワーの冊子『なかま』掲載のエッセイの再録(第二部「ある牧師の眼」)、さらにルーテル教会の牧師を解任され(一九九五年)、青山学院アイビーホールを拠点とするブライダル専従牧師の時代、二〇〇六年復職以降のエッセイを核とした第三部「折々の記」、そして旅の記録である第四部「聖地探訪記」からなっており(二〇二〇年の日付の文章もある)、氏の生涯のあらましがおおよそ浮かび上がる。
世代の差を思う場面もあるが、一方で氏の牧師としての活動とそこで出会ってきた人たちの姿を見ていくと、私自身の思いや活動と実は多くの場面で重なっており、非常に親近感を持ったのである。

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