学校法人北星学園(札幌市厚別区、理事長:古川敬康)は、2月20日に開催した理事会において、北星学園大学短期大学部の学生募集を、2024年度募集(23年度中に実施される24年4月入学生対象の入学試験)を最後に、25年度以降停止することを決定した。
北星学園大学短期大学部は、「キリスト教に基づく教育」という建学の精神に基づき、「深い教養と専門知識・技能を修得し、愛と奉仕に生きる自由な人間」の育成という教育目標を掲げ、1951年に「北星学園女子短期大学」として開学した。02年に北星学園大学短期大学部に改称し男女共学化し、70余年にわたり教育実践を重ね、2万人を超える卒業生を各地・各方面に輩出してきた。
しかしながら、近年、北海道内の18歳人口が著しく減少していることに加え、新型コロナウイルスの影響といった社会情勢を多角的に検討した結果、学校法人北星学園の未来を俯瞰的に展望する上で、短期大学部の募集停止に踏み切るに至った。今後は北星学園大学及び学校法人北星学園が有する高校3校(北星女子高、北星附属高、北星余市高)、中1校(北星女子中)の運営の強化、教育の充実に注力していくという。
24年度入学生を含む全ての在学生の対応について学園側は次のように話す。
「全ての在学生が卒業されるまで、これまで以上に、充実した教育活動、進路支援などを提供できるよう、万全の体制を取ります。在学生が安心して学修できるよう、全教職員が学生一人ひとりに責任をもって対応してまいります。また、学籍簿の保管、卒業後の証明書発行、同窓会の活動など、卒業後も支障のないよう支援体制を整えてまいります。」
今後、北星学園大学短期大学部の理念やこれまで築いてきた実績は、4年制の北星学園大学へ発展的に継承していく。すでに同大学は、23年度に社会福祉学部を改組し、教育・研究のさらなる充実・強化に取組んでいる。文学部・経済学部・社会福祉学部の3学部を中心に、今後も教育改革や学生支援の充実に取り組み、ミッションの具現化を目指して教育・研究強化し、北海道に根を張る総合学園として、北星学園の各校が連携して建学の精神の実現にむけた教育改革を推し進めていくと意気込む。
北星学園は、アメリカの宣教師サラ・C・スミスによって1887年に設立された「女子寄宿学校」が源流。校名については、当時女学校の役員で授業科目も担当していた新渡戸稲造の助言があったと言われている。プロテスタンティズムを建学の精神とする北星学園大学が大切にする聖句は、「神を畏れることは知識の初めである」(箴言1章7節)「真理はあなたがたに自由を得させるであろう」(ヨハネによる福音書8章32節)で、開学以来、地域・社会・世界に開かれた大学を目標としている。