北海道伊達市の3教会が教派を超えて連盟を発足 「教会同士は仲がよく、地域にも関心がある」

 

北海道・洞爺湖の南、「北の湘南」と呼ばれる内浦湾に面した伊達(だて)市。人口3万5千人の市の中心部にあるカトリックとプロテスタント主流派、福音派の3教会が昨年、「伊達市キリスト教会連盟」を立ち上げた。カトリック伊達教会(小林薫主任司祭)と日本キリスト教会・伊達教会(田中忠良牧師)、そして日本同盟基督教団・伊達福音教会(三浦称牧師)だ。地域に開かれた教会を目指して、9日には連盟主催で、子育てをテーマにした公開講演会を開催した。

伊達福音教会牧師の三浦称さん

伊達福音教会牧師の三浦称(みうら・たたう)さん(45)に話を聞いた。

──連盟発足の経緯を教えてください。

昨年、カトリック伊達教会の信徒会副会長を務める渡辺達也さん(84)が私たちの教会を訪ねてきて、「教会が集まって地域のために何かできないか」と言われたんですね。渡辺さんは、憲法9条のことなど、この国の行く末を憂(うれ)えていて、「教会としてこの町で何か貢献したい」と話されました。私も同じ思いでしたので、3つの教会が集まって連盟を発足させました。

昨年春、原発に関する映画会を共同で開催し、その後、交流会などを持ちながら、1年かけて、9日の講演会を実現させました。

──今回の講演会では、どうして子育てをテーマにしたのですか。

一つには、北海道は離婚率が非常に高いということがあります。その中で、子育てをどう考えるか。また、いま世間をにぎわわせている子どもの虐待問題も含めて、教会として取り組んでいけたらと思ったのです。

金子耕弐さん

HBCラジオで、子育てや家庭の悩みについての番組「ファミリー・トーク」のパーソナリティーをしている金子耕弐(かねこ・こうじ)さんに講師をお願いしました。金子さんはカトリック信徒で、以前にはキリスト教放送局FEBCのアナウンサーを務め、ファミリー・フォーカス・ジャパンの設立にも関わった方です。

当日は78人が集まりました。ラジオのリスナーの皆さんからも問い合わせがあり、ふだん教会にいらっしゃらない方が大勢来てくださいました。

子育てをテーマにした公開講演会

──教派を超えた連盟のメリットはどんな点ですか。

地域の人は「カトリックとプロテスタントは仲が悪い」と思っているので、一緒にやると、関心を持ってくれます。それは、みなさんの反応を見ても感じます。3つの教会はそれぞれに違いがあります。ただ、違いばかりではなく、同じ神さまを信じ、キリストの救いにあずかっているところに目を留めていく。それぞれの違いを大切にしながらも、地域に貢献するという同じ目的を共有し、互いに協力しています。

──地域に開かれた教会になるには、どういうことが必要ですか。

教会が地域に関心を持っていることをまず理解してもらうことだと思います。一般の人からすると、教会は自分たちには関心がなく、クリスチャンだけが集まって何かをしているというイメージがあります。私たちは「地の塩、世の光」としてキリストの愛を伝え、世の中にキリストの光を放っていきたい。そのことを地域の人に知ってもらえたらと思っています。

──今後どのような活動をされていくのでしょうか。

年に1回は大きなイベントを連盟主催でやっていく予定です。いま考えているのは、伊達市にNHK交響楽団のメンバーでカトリック信者の方がいらっしゃるので、その人に協力してもらってコンサートを開くこと。また、震災被災地のためのチャリティー・コンサートや、ハンガーゼロ(国際飢餓対策機構)からゲストを招いての講演会。隣の登別(のぼりべつ)市では、市が協力して世界食糧デーに合わせたイベントを中学校でやっているので、私たちも行政と協力した働きを今後できたらと思っています。3つの教会が手を携えて協力すれば、活動の可能性は無限です。

 






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