【バチカンと日本100年プロジェクト】将棋棋士の加藤一二三氏がアンバサダーに就任!!

 

日本の文化振興に寄与するための事業を手掛ける公益財団法人角川文化振興財団(理事長:角川歴彦)は、バチカンと共同で取り組む国際文化交流プロジェクト 「バチカンと日本 100年プロジェクト」において、同事業を応援するアンバサダーのひとりとして、カトリック信徒で将棋棋士九段の加藤一二三氏の就任を発表した。

加藤一二三氏(写真提供:角川文化振興財団)

加藤氏は、1940年、福岡県生まれ。1954年、当時最年少記録となる14歳7カ月で四段に昇段してから、名人(1期)、十段(3期)、王位(1期)、棋王(2期)、王将(1期)と五つのタイトルを獲得し、最年長勝利記録・史上最多記録対局数を記録する。将棋界で6人目(当時)となる紫綬褒章を受章。2017年に現役を引退してからは、テレビのバラエティ番組などに数多く出演し、「ひふみん」の愛称でも親しまれている。

 

1970年に下井草カトリック教会(東京都杉並区)で洗礼を受け、80歳を迎えた2020年には、信仰者としての自らの体験を綴った『だから私は、神を信じる』(日本キリスト教団出版局)を刊行した。1986年には、ローマ法王、ヨハネ・パウロ2世から聖シルベストロ教皇騎士団勲章を受章しており、今回の就任にあたり加藤氏は、バチカンとのつながりを踏まえつつ、ビデオメッセージを通して次のように語っている。

バチカンと日本の文化交流で、 わたくしが協力できるということは、この上ない喜びであります。 これから、バチカンと日本の秘められた交流の歴史が どんどん解き明かされていくでしょう。そんなわくわくする発見を、みなさんと一緒に目撃していきたいと思っています。  

 

同事業は、2019年にフランシスコ教皇がローマ教皇として38年ぶりに来日したことをきっかけに企画された。バチカンの日本関係文書が特別に開示されるなど、日本とバチカンの交流の歴史をひもとくために、さまざまな観点から研究が進められていたが、コロナ禍による世界的なパンデミックにより、プロジェクト活動が延期や中断が続いていた。しかし、昨年11月には、上智大学(東京都千代田区)において「バチカンに眠る日本の記憶―文化と交流450年・教皇の知り得た日本―」を開催し、大きな反響を呼んだ。

2022年は、バチカンと日本の国交樹立80周年という節目の年となる。同事業では、すでに駐日バチカン大使のレオ・ボッカルディ氏からも全面的な協力を得ており、今後さまざまな成果発表やイベントなどを実施していく予定だ。また、バチカン図書館やバチカン文書館には未解明の日本関係資料が数多く残されている。これまでの交流の歴史を解き明かすだけでなく、100年先の未来を見据えた友好関係の礎を築くためにも、ロマンあふれる研究を継続し、新たな歴史発見の目撃者となる文化交流パートナーをクラウドファンディングにて募集している。締め切りは2月22日まで。

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