第10回「おふぃす・ふじかけ賞」の授与式が7月19日、上野の森キリスト教会(東京都台東区)およびオンラインで開催された。同賞は、クリスチャンで臨床心理士の藤掛明氏が2015年に自身のブログ記事を発端に、キリスト教を背景としたカウンセリングやカウンセリングと類似の発想を示した良書を毎年選定し、授与式を開催してきた。
今年の「本賞」には、岩上真歩子著『キリストの愛に基づくグリーフケア エマオの途上を主イエスと歩む』(いのちのことば社)、松下景子著『語らいと祈り 信仰の12ステップに取り組んだ人々の物語』(ヨベル)の2作が選ばれた。
阿部伊作氏(図書館司書)による司会で行われた授与式では、第1部で受賞者がスピーチ。松下氏は「信仰の12ステップ」に取り組み始めた当初、自助グループやカウンセリングなどに対しての理解が得られず「神様は要らないのか?」と問い詰められるような状況だったと回顧。
続く第2部では、同賞が10周年を迎えるにあたり、ゆかりのある高木誠一氏(教文館)、松谷信司氏(キリスト新聞社)、市川真紀氏(日本キリスト教団出版局)、根田祥一氏(クリスチャン新聞顧問)、小渕朝子氏(第1回同賞受賞者、臨床心理士)の5人がそれぞれ、賞にまつわる逸話などを交えながら10年を振り返った。保守的「福音派」でも臨床心理士やキリスト教カウンセリングの働きが評価されるようになった背景に、藤掛氏をはじめとする関係者の努力があったことが再確認された。
また、体調不良で欠席した主催者の藤掛氏に代わり、森真弓氏(臨床心理士)が同氏の生い立ちから恩師との出会い、著作を執筆するまでの経緯などを紹介した。
授与式の模様はYouTubeで視聴可能。