【訃報】 石川一雄さん(「狭山事件」再審請求中)

いしかわ・かずお 3月11日、誤えん性肺炎のため狭山市の病院で逝去。86歳。女子高校生が殺害された「狭山事件」で無実を訴えながら無期懲役が確定し、服役後に仮釈放され、裁判をやり直す再審を求めていた。

狭山事件=1963年5月1日、埼玉県狭山市で女子高校生が行方不明になり、脅迫状が届けられた事件で、被差別部落への見込み捜査で石川一雄さん(当時24歳)を別件逮捕。1カ月にわたり留置場で取り調べ、自白させた。一審は死刑、二審では無期懲役判決が確定。石川さんは再審請求を申し立てたが第一次再審請求は事実調べもなく棄却。1986年8月に第二次再審請求を東京高裁に申し立てたが、99年に再審請求を棄却。2006年に第三次再審請求後、09年から三者協議が開かれ、2回目の協議で裁判長が証拠開示を勧告。10年の三者協議で東京高検が開示勧告を受けた8項目のうち、石川さんが「自白」した捜査段階の取り調べ録音テープなど36点の証拠が47年ぶりに開示された。22年には、弁護団が「事実取調請求書」を東京高裁に提出し、鑑定人の証人尋問と裁判所による鑑定の実施を求めていた。

狭山事件で再審求め集会 キリスト者も「今年中に」との願いと祈り 2023年6月15日

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