7月28日「神に仕える者として」

わたしたちはこの奉仕の務めが非難されないように、どんな事にも人に罪の機会を与えず、あらゆる場合に神に仕える者としてその実を示しています。(コリントの信徒への手紙二 63〜4節)

 神はイエス・キリストによって和解の子を差し伸べ、人間の側がこれに応えて和解するようにと、和解の言葉を告げ知らせる。そして、和解の言葉を人々に告げ知らせるために、すでに和解を受けて、神との交わりに生きているキリスト者に、神は和解の言葉を委ねられる。「つまり、神はキリストによって世を御自分と和解させ、人々の罪の責任を問うことなく、和解の言葉をわたしたちにゆだねられたのです」(5・19)。

 キリスト者は神の和解の言葉を伝える使者である。「ですから、神がわたしたちを通して勧めておられるので、わたしたちはキリストの使者の務めを果たしています。キリストに代わってお願いします。神と和解させていただきなさい」(5・20)私たちが福音を宣教するのは、キリストに代わってお願いします」と神の願いを伝えるためである。伝道とは、神が私たちを愛して、交わりを願っておられることを伝えることである。

 パウロは今日の聖句を語って、神から和解の言葉を委ねられた者として心がけていることを、コリン卜教会の信徒たちに示す。彼らの中には、罪を赦(ゆる)す神の恵みを履き違え、「すべては許されている」と言って、他者のことを考えずに自分勝手な行動をとる者がいたからである。キリスト者は神の使者なのであるから、人々がキリストの福音ではなく、福音を宣べ伝える者に躓(つまず)かないように心がける。キリスト者は信仰を恥じないで、人々に自分がキリスト者であり、神に仕える者」であることを証しすることが求められている。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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