関西学院大学神学部准教授の榎本てる子(えのもと・てるこ)氏が4月25日、急性肺炎のため召天した。55歳。病気療養中だった。前夜式は27日19時から、告別式は28日(土)11時から、日本基督教団・京都葵教会(京都市左京区下鴨下川原町30)で執り行う。喪主は青木理恵子氏(NPO法人チャーム事務局長)と姉の橋本るつ子氏。平服での列席を希望し、花料、供花は辞退している。
1962年、京都市生まれ。85年、関西学院大学神学部卒業、カナダのウォータールー・ルーテル神学校修士課程修了。日本基督教団牧師。大阪市派遣エイズカウンセラーなどを経て、2008年から現職(牧会カウンセリング、キリスト教霊性論、臨床牧会実習など)。
共著に『講座 現代キリスト教倫理1 生と死』(99年、日本基督教団出版局)、『講座 現代キリスト教カウンセリング3 適応と不適応のカウンセリング』(2002年、同)、『関西学院大学神学部ブックレット2 癒しの神学』(09年、キリスト新聞社)、『関西学院大学神学部ブックレット5 自死と教会』(12年、同)など。
喪主で同居人の青木氏は次のように語る。「てる子さんは、大学で教鞭をとる以前から実践神学を地域で行っており、京都に1998年から始めたバザールカフェでは、障害を持っている人も持たない人も、学生も高齢者も、異性愛者も同性愛者も一緒に集い、自分が受け入れられ愛されていることを実感するコミュニティーをつくってきた。そこではキリスト教の教義や用語を使わずとも、霊性と神の愛を感じる場となっている。てる子さんは、そのようなコミュニティーが増えていくことによってこの社会が少しでも生きやすくなると確信して、その実践を自ら行い、周りの人にもそれぞれの場で愛し愛されるコミュニティーをつくっていくことを勧めていた」
三浦綾子『ちいろば先生物語』で描かれた父の榎本保郎氏(日本基督教団世光=せこう=教会牧師)は77年、アシュラム運動のために渡米中、肝炎を悪化させて52歳で亡くなった。次女のてる子氏が中学2年生の時だった。家族は92歳の母・和子氏(著書『ちいろばの女房』)、長女・橋本るつ子氏(元梅光学院中学高等学校教頭)、長男・恵氏(アシュラムセンター主幹牧師)。榎本栄次氏(日本基督教団城陽教会牧師)は保郎氏の実弟で、後宮(うしろく)俊夫氏(元日本基督教団総会議長)は義弟。