12月2日は斎藤実の誕生日

 

今日12月2日は斎藤実(さいとう・まこと)の誕生日。第30代内閣総理大臣を務めました。

同じ岩手県出身で2歳上の第19代総理大臣の原敬と同じく、クリスチャンだったといわれています。

斎藤は原敬首相により第3代の朝鮮総督(韓国を併合していた間の8年間)に任命されると、それまで専制的な「武断政治」で反発を招いていたのを、キリスト教学校への待遇改善など、融和的な「文化政治」に変え、キリスト教の宣教師とも積極的な交流を図りました。

原首相が斎藤を朝鮮総督に就け〔ると〕……原は斎藤に宣教師と積極的に対話・交流するよう求めている。……原と斎藤が、宣教師との関係を重視したのには理由がある。……(朝鮮には)十九世紀後半になって……さまざまな宗派の宣教師がやってくるようになった。……キリスト教はまたたくまに全土に浸透して……外国人宣教師は朝鮮人のリーダー的存在となり、外国向けのスポークスマンのような役割を担っていた。……斎藤は原の思いを代弁するように、積極的に宣教師と語らい、それまでの総督の(悪い)イメージを一新させた。(高橋文彦『惨殺──提督斎藤実『二・二六』に死す』光人社)

こうしたことが認められ、1922年に斎藤はローマ教皇から聖シルベストロ教皇騎士団勲章を贈られています。カトリックに貢献した人を顕彰する勲章で、斎藤は最高位の「大十字」(大綬と星章)を授与されました(1932年にもピウス9世勲章を受章しています)。

ちなみにその前年の21年、20歳だった皇太子時代の昭和天皇がヨーロッパ諸国を歴訪した際、最後に訪れたのがバチカンの教皇ヴェネディクトゥス15世のもとでした。その時、「朝鮮総督斎藤実が最近京城においてカトリック教会の二司教の叙階式に招かれて卓上演説を行い、カトリック教徒が朝鮮で起こった独立運動に全く関係しなかった態度に(教皇が)賛辞を述べた」と宮内庁編『昭和天皇実録 第三』(東京書籍)に記されています。

妻の春子もミッション・スクールの東洋英和女学校の卒業生です。東洋英和女学校はNHK連続テレビ小説「花子とアン」の舞台となったことでも有名ですが、春子は創設間もなく入学し、後年、創設者ミス・カートメルが愛用していた聖書を贈られています。また、同学院の新マーガレット・クレイグ記念講堂には現在でも、斎藤実揮毫の「敬神奉仕」という額がかけられています。

1932年、五・一五事件で犬養毅首相が強硬派の軍人によって殺され、その後を受けて首相となりましたが、36年、二・二六事件でやはり軍人に41発もの銃弾を浴びせられて殺されました。

 






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