どこにでも広がっていく教会

クロスローズの14の拠点は、シンシナティ周辺から、北にはオハイオ州内のデイトン、コロンバス、クリーブランドに、南にはケンタッキー州レキシントンに広がっている。プロテスタントのメガチャーチの大半(リーダーシップ・ネットワークおよびハートフォード宗教研究所によれば62%)は複数の拠点を擁しているが、クロスローズの規模で拡大している教会は少ない。参考までに、ほかのメガチャーチの平均拠点数は3・5だ。

クロスローズは、それぞれの拠点で奏楽は生で演奏し、牧師も置いている。一方、同じ礼拝をすべての拠点のスクリーンで流す。連続性は細部まで維持される。教会所有の建物は改装し、全拠点で同じような内装、ステージ、ライティングにしてある。

全拠点で一貫性が確保されていることで、クロスローズは、伝統的なアプローチとは異なるかたちで伝道そのものを「捉え直す」ことができる。同教会は昨秋、トーム師が地元DJやスタートアップ企業の創立者といったゲストとビールを飲みながら「現実の話」をするビデオ・シリーズを始めた。同教会はまた、主役の牧師2人が説教の直接対決を行う「伝道スーパーボウル」を年一度開催している。スクリーンで企業コマーシャルやトレンドの音楽も流し、煽りやディスり合いなど、何でもありのイベントだ。

クロスローズでは、今年2018年に52回ある週末のうち20回の礼拝で、教会の外で完全ロケをした映像を使った説教を流す。こうした映像は、礼拝に集う人たちを実際に聖書の舞台へといざなう(一つのシリーズは聖地で、もう一つはローマで撮影された)。映像ではまた、生活と人生に聖書の内容を適用することについて、さまざまな人が話をする。

クロスローズは中央集権的な組織モデルで運営されており、各拠点は本部の指示を仰いでいる。各拠点は本部からリソース(資源)の提供を受けながら、予算の一部をその地域のニーズに対応するために使う。あるキャンパスは人種間の和解のためのプログラム、別のキャンパスはヘロイン中毒からの回復のための働きをするといった具合だ。拠点同士のつながりを維持するため、クロスローズのスタッフは毎週、全員でミーティングをしている。顔を合わせて、あるいは電話で、連絡やデボーションを行う会議だ。

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CHRISTIANITY TODAY

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「クリスチャニティー・トゥデイ」(Christianity Today)は、1956年に伝道者ビリー・グラハムと編集長カール・ヘンリーにより創刊された、クリスチャンのための定期刊行物。96年、ウェブサイトが開設されて記事掲載が始められた。雑誌は今、500万以上のクリスチャン指導者に毎月届けられ、オンラインの購読者は1000万に上る。

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