教皇フランシスコは1月20日、日曜日正午の「祈りの集い」で、バチカンのサン・ピエトロ広場を見下ろすバルコニーから数万人の人々に対し、「祈るためにクリックを(Click to Pray)」というアプリを紹介した(フェイスブック・ページ)。
「インターネットとソーシャル・メディアは、他の人々とつながるための、現代における一つの手段となっています。インターネットは、共同体で祈ることを助けてくれます。このアプリを通して、私が祈ってもらいたいことを伝えていきます」とタブレットを触りながら話した。
これは「教皇の祈りの世界ネットワーク」の公式アプリで、2016年に公開され、iOSとAndroidで無料でダウンロードできる。残念ながら日本語版はまだない。
世界平和や自然災害被災国の人々のためなど、教皇が祈っている祈りの課題が通知され、「クリックして祈る(click to pray)」ボタンを押すことで祈りに参加できる。毎日、朝、午後、夕方の祈りが示され、アプリの通知時間を設定すれば、その時間に祈ることもできる。また、SNS的な機能もあり、ユーザー登録を行えば、このアプリを使って自分の祈りを共有したり、祈りのメッセージを他のユーザーに伝えることもできる。
毎月第一金曜日、教皇がビデオレターで祈りの課題を語るインターネットのプログラムもあり、昨年6月は「ソーシャル・ネットワーク」がテーマで、次のような祈りが共有された。「違いを認めて互いに尊敬し合うことを大切にするインクルーシブ(包含性)に向けて、ソーシャル・ネットワークがその機能を果たせますように」。これについて教皇はビデオレターの中で次のように語った(バチカン放送局)。
「インターネットは神の贈り物であると同時に、大きな責任をも負っています。コミュニケーションの場所や手段は、多くの人々の世界を広げました。ソーシャル・ネットワークが提供する出会いや連帯の可能性を利用しましょう。デジタル・ネットが疎外の場であってはなりません。それは具体的で豊かな人間性のある場所でなくてはなりません。一緒に祈りましょう。ソーシャル・ネットワークがそれぞれの個性を否定することなく、連帯と、その違いにおいて他の人を尊重することを助けることができますように」
これまで教皇フランシスコは新しいコミュニケーション手段を積極的に取り入れ、頻繁にツイッターで発信したり、インスタグラムも開設したりするなど、ネット活動に取り組んできた。新たにこのアプリによって、教皇が何のために祈っているか、いつでもどこでも見られる便利な方法を提供したことになる。