中国において宗教組織と宗教活動の統制や管理は、これまで国務院国家宗教事務局(宗教問題事務局)の管轄だったが、3月21日、最高権力機関「全人代」(全国人民代表大会)での決定に伴い、中国共産党中央委員会直属の中国共産党中央統一戦線工作部(中央統戦部)に担当が変わった。カトリック系「アジア・ニュース」が報じた。
中央統戦部は、党外の各民主党派(中国共産党に協力する衛星政党)との連携を担当するほか、ダライ・ラマに協力する国内外のチベット解放活動に対する工作や、海外における祖国統一工作も担う。
習近平総書記(国家主席)は2017年10月の党大会で宗教管理を強化する方針を打ち出して、宗教活動を「社会主義社会に適応するよう積極的に導く」と表明し、宗教活動を党の政策や指導方針に適合させる「中国化」を強調した。また宗教政策を担当する党幹部も、「国家の利益や社会の公益に関係する宗教事務の管理を強化する」と明らかにした。
一方、夏寶龍(シャ・バオロン)前党書記(66)が3月14日、人民政治協商会議(政協)の第13回第1回会議で、秘書長兼副主席に選出された。党中央への助言組織とされる同会議の権力者の地位に就いたことになる。
夏氏は12年から17年4月まで浙江省党書記だったが、その間の13年末から16年4月まで、プロテスタント教会を中心に約1500の教会堂から十字架を撤去した。また、都市計画のためとして教会堂の破壊も行った。十字架を守ろうとした牧師や信徒は拘留、脅迫、告発され、その弁護に当たった弁護士も告発された。
(※CJC通信の記事を編集しました)