日本カトリック映画賞に『ふつうの子ども』 第50回の節目

カトリックのメディア団体であるシグニスジャパン(SIGNIS JAPAN=カトリックメティア協議会、土屋至会長)は、2025年度(第50回)の日本カトリック映画賞を、呉美保監督の映画『ふつうの子ども』に贈ることを発表した。

同賞は1976年に創設され、前々年12月から前年11月までに日本国内で公開された作品の中から、カトリックの精神に合致する普遍的なテーマを描いた優れた映画に授与されるもので、今年で50回の節目を迎える。

受賞作『ふつうの子ども』(2025年製作、96分)は、小学4年生の子どもたちの日常と人間関係を軸に据えた人間ドラマ。主人公の少年と同級生たちが「環境活動」に関わる中で、出来事が思わぬ方向へと展開し、大人たちをも巻き込んでいく姿を描く。

選考にあたり、シグニスジャパン顧問司祭の晴佐久昌英神父は、本作について「子役の演じる劇映画でありながら、ドキュメンタリー以上に子どもの真実を映し出すという、不可能に近い試みを実現した」と評価し、子どもたちの内にある力が現代社会への根源的な問いを投げかけていると指摘した。

同賞はこれまで、『この世界の片隅に』『おくりびと』など、ジャンルを超えて人間の尊厳や希望を描いた作品を顕彰してきた実績を持つ。近年では第49回に安田淳一監督『侍タイムスリッパー』が選ばれている。

授賞式および上映会は7月5日、東京・千代田区の暁星学園講堂で開催される予定で、作品上映に加え、呉監督と晴佐久神父による対談も行われる。

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